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長月タケオ選「中高年の性告白」第65回 大阪府在住S・Yさん(62歳)の告白【亡き母の面影を求めて愛した年上の女】

このコーナーは官能小説家の長月タケオ氏が一般の中高年読者から寄せられた「性の告白」をご紹介するものです。そこにはシニアである我々同世代が共鳴する「あの頃」の時代背景があり、実体験ならではの生々しい「性の現実」があります。懐かしくも妖艶な古き良き官能の世界をご賞味頂ければ幸いです。編集長

【亡き母の面影を求めて愛した年上の女】

S・Y 62歳 大阪府在住

母はわたしが10歳のときに他界した。それからは父親と祖母の手で育てられたが、やはり生みの母の面影を忘れることはできなかった。

母が死んだ理由は過労だった。父親は、ろくに仕事もしない酒好きで、そのうえバクチ好き。生活費に事欠くこととなり、母が遮二無二働いて、なんとか日々をしのいでいた。

自分の責任で女房を死なせてしまった父親は、さすがに人が変わったように働きはじめたがあとの祭りだ。わたしは父を恨み、それが原因となって中学校にあがるころには、グレて不良になっていた。

まともに学校には行かず、それでも高校へは進学した。しかし近辺のワルばかりが集まる工業高校で、1ヶ月もしないうちに通わなくなる。

毎日毎日、同じような連中とつるんで街をのし歩き、カネがなくなると、カツアゲするか祖母にせびる。

祖母は父親の母親であるから、母を死なせた責任がある。そんなふうに考え、恨みや怒りの矛先を向けていたのだ。

そのころ父親は東京に出稼ぎに出ていて、それも祖母につらく接した理由だった。

そんな最低な生活を送っていたある日、いつものように祖母を怒鳴っていたわたしの家に、突然一人の女性が駆け込んできた。

「アンタ! なに偉そうにいうてんのん!」

それは最近、近所に越してきた美奈子という人だった。

「なんやねん、お前」

「お前って……。15、6の、チンポに満足に毛も生えてないガキにいわれる筋合いないわ」

わたしがすごんで見せても、美奈子さんはまったくひるむ様子を見せない。それどころか、床にはいつくばる祖母を抱きあげ、なぐさめはじめる。

「外、歩いてたら、大っきい声聞こえて。なんやろと思てのぞいてみたら、こんなむごいこと」

「ウチのことに口、はさむなや」

「アンタ、ここの子か?」

「そうや」

「ほな、この人はおばあちゃんか」

美奈子さんは憤怒の表情で立ちあがり、いきなりわたしのほほをひっぱたいた。

「お年寄りに手ぇかけるのも最低やけど、自分のおばあちゃん、ひどい目にあわせるやなんて虫けら以下やな! アンタの親を育ててくれた人に乱暴ふるうやなんて、人としてクズ同然や」

わたしは言い返すことができなかった。美奈子さんは、そのまま祖母を連れ、どこかへ出て行ってしまった。

一人残されたわたしは、所在なげに祖母の帰りを待った。しばらくして、祖母を連れた美奈子さんが戻ってきた。

「おばあちゃんのせいやないからな。な、そやからもう泣かんといて」

祖母は美奈子さんの家で一部始終を話したらしい。

「全部、聞いた。あんたの気持ちもわかる。そやけど、亡くなったお母さんは、草葉の陰で泣いてるで」

「あんたに何がわかるねん」

「わたしも人の親や。ほんで、男のせいで身ぃ持ち崩した女や」

わたしに彼女がいった言葉の意味が理解できなかった。けれど、美奈子さんの表情、そして言葉の勢いには、言い返すことのできない力がそなわっていた。

その日から、わたしは祖母に当たるのをやめた。祖母が不憫に思えたからではない、美奈子さんに叱られるのが嫌だったからだ。

その理由は簡単だ。

最初に出会ったときは気づかなかったが、美奈子さんは亡くなった母に面影が似ている。それは、仏壇に掲げられた遺影を見て気がついた。

美奈子さんはホステスとして働いていた。そのためか、40歳半ばという歳のわりには若く見えた。

祖母との一件があって、美奈子さんは夕飯のおかずを届けてくれたり、休みの日にはウチの掃除、洗濯を手伝ってくれたりもしてくれるようにもなった。

そして、わたしのぶらぶらした生活にも口出しするようになる。わたしはうっとうしいと思いながらも口応えができない。それどころか、実の母親に叱られているような気になり、なぜか心地よささえおぼえるようになっていた。

美奈子さんの忠告が功を奏して、わたしは定時制の高校に通いなおし、昼間は工場で働くようになった。それを祖母はよろこび、美奈子さんのおかげだ、と口にするようになっていた。

そんな日が続いた17のとき、いまとなっては理由を忘れたが、美奈子さんの住むアパートを訪ねた。

じつはそれまでにも、美奈子さんの部屋は何度か訪れたことがあった。しかし、その日は、いつもと雰囲気が違っていた。

「どないしたん?」

わたしはたずねる。するといきなり、美奈子さんはわたしに抱きついてきた。

美奈子さんは泣いていた。部屋のちゃぶ台の上には写真が1枚。そこにはほほ笑む美奈子さんと幼い子どもが写し出されている。

「裕也が、裕也がな……」

裕也というのは、美奈子さんが若いときに産んだ子どもらしい。

歳はわたしと同じ17歳。美奈子さんは5年前に夫以外の男に惚れ、家族をおいて駆け落ちをした。だがその男とは2年前に別れ、それを知った前のだんなが、やりなおそうと連絡してきたらしい。

「そやけどな、裕也がな、アンタなんか母親でもなんでもない、もう二度と自分の前に姿見せるなっていうねん」

前の夫はなんとか説得しようとしたが、息子はがんとして聞き入れない。

「わたしのな、わたしのせいやから仕方ないけど、そやけど……」

気丈な美奈子さんが、子どものように泣きじゃくっている。わたしは急にあわれみをおぼえ、美奈子さんを強く抱き返す。すると美奈子さんは顔をあげ、わたしに唇を重ねてきた。

「忘れさせて、お願い」

わたしはあお向けに寝かされた。美奈子さんはわたしの上にまたがり、自分で服を脱ぐ。露出した乳房は垂れてはいるものの、その色合いといいふくらみ加減といい、情欲をわき立たせるには十分だった。

美奈子さんは全裸になってわたしにおおいかぶさり、ズボンと下着をおろした。そして、半ば力のこもっている一物を口にふくむ。いきなりに行為にちゅうちょをおぼえつつも、わたしの身体はすなおに反応をしめした。

いきり立った一物を美奈子さんはしゃぶる。その温かでぬめりのある感触に、わたしはすぐに暴発してしまったのであった。

吐き出された精液を、美奈子さんはすべて吸い取ってくれた。そして、ふたたび咥え直すと、全身を使って刺激を加え、復活させる。

されるがままになるわたしは、そっと美奈子さんの乳房に手を伸ばした。

「もっと、ムチャクチャにして」

そういって美奈子さんは馬乗りになり、わたしを自分の内部に導いたのであった。

それから美奈子さんとわたしの関係がはじまった。

「美奈子さん、オレはアカンかな」

ある日、コトを終えたあと、わたしは言った。

「オレと一緒に暮らすって、アカンのかな」

その言葉を聞いて、美奈子さんはやさしく告げた。

「それを言われたら、別れよと思てた」

わたしはおどろき、身を起こす。

「なんで」

「わたしの目的はアンタの若い身体。情なんかあれへん」

「そんな……、ウソいわんといてくれ!」

「ウソと違う。そやから、きょうでお別れや」

美奈子さんは立ちあがり、さっさと服を身につける。

「さあ、アンタも服着たら、帰って」

「ウソやろ、お願いや、ウソやいうてくれ!」

美奈子さんは冷たい表情でわたしを見おろした。ただ、その目の奥に涙がたまっているのを、わたしは見逃さなかった。

その日は仕方なく家に戻り、次の日、美奈子さんの部屋を訪ねた。しかし、そこはもぬけの殻だった。

美奈子さんがなぜ、ああいって別れを切り出したのかわからない。けれど、真実でなかったことは彼女の涙が物語っている。

それからわたしはきちんと高校を卒業し、働きながら夜間の大学へも通った。苦労は多かったが、辛くなったり、逃げ出したくなったりすると、美奈子さんの叱責が聞こえてきた。

「あんたなにしてんのん。しっかりしぃや!」

10代のときに、母親の面影を求めて年上の女性を愛した青春。もし、母性だけを求めていたら、二人の関係は違ったものになっていたのだろうか。けれど、それでわたしは我慢できたのか。

疑問の残るところでではあるが、いまとなっては確かめるすべもない。

 

【選者紹介】

長月タケオ(ながつきたけお)

1962年生大阪府出身在住。1988年官能小説誌への投稿でデビュー。

1995年第1回ロリータ小説大賞(綜合図書主催)佳作受賞。

おもな著作『ひとみ煌めきの快感~美少女夢奇譚』(蒼竜社)

『病みたる性本能』(グリーンドア文庫)

『禁断の熟女』(ベストロマン文庫・共著)

『19歳に戻れない』(扶桑社・電子版)

『誘惑する女 熟女たちの悦楽』(九月堂・電子版)

ほか

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