お色気 めくるめく官能世界へ誘います

長月タケオ選「中高年の性告白」第56回 兵庫県在住T・Sさん(60歳)の告白【狙った女はウソ八百でモノにする】

このコーナーは官能小説家の長月タケオ氏が一般の中高年読者から寄せられた「性の告白」をご紹介するものです。そこにはシニアである我々同世代が共鳴する「あの頃」の時代背景があり、実体験ならではの生々しい「性の現実」があります。懐かしくも妖艶な古き良き官能の世界をご賞味頂ければ幸いです。編集長

【狙った女はウソ八百でモノにする】

T・S 60歳 兵庫県在住

生まれ育った家は、名前を聞けば誰もが知っている高級住宅街の近くにありながら、古びたアパートの1室という状況だった。父親は日払いの労働者で母も工場にパートで働きに出ていた。そのせいか、若い頃から見栄を張るくせがあった。とくに気に入った女があらわれると、ウソ八百を並べて気を惹こうとする。しょせんメッキなのだから、すぐにはがれるとわかっていても、正直に自分の身の上を話すことはできない。

そんなくせがあることに気づいたのは、高校生のときだ。わたしは家庭の事情で大阪の親戚の家に下宿し、高校に通っていた。そこにわたしがどんな環境で育ったのか、知っているものはいない。ただ、阪神間にある高級住宅地から、こっちにやってきたということだけは知れ渡っていた。

「へえ、じゃあ、お家はお金持ちなんや」

ある日、同じクラスの女の子が話しかけてきた。わたしはとっさにウソをつく。

「あ、ああ、まあね」

「お父様のお仕事は?」

「神戸で貿易会社を経営している。ただ、長期の出張でお袋と一緒にアメリカへいっちゃって」

「単身赴任と違うん?」

「アメリカはパーティーとかなんとか、夫婦同伴が多いさかい。そやからボクは叔父さんの家に……」

その子はわたしに憧れの視線を向ける。髪が長く、細身で清楚な顔立ちをした女の子だった。

それがきっかけになって、わたしは彼女と仲良くなった。何度かデートもしたし、交換日記らしきものも交わした。

けれど、ウソはすぐにばれた。彼女は神戸への小旅行をねだり、わたしは仕方なく承諾した。そのとき運悪く、中学時代の友人、数人と出くわしてしまったのである。

彼らもわたしと同じような環境で育った連中で、口は悪いし態度も横柄。わたしが女の子と歩いているというだけで、冷やかす。

「おいおい、大阪に行ったらこんな子と付き合えるんか。エエのう」

「紹介してくれや」

「そやけど女の子はエライ、おとなしそうやないか。お前みたいな貧乏人と釣り合うんか?」

金持ちの御曹司だから、友人も上品だと彼女は思っていたはずだ。そして、一人が言った「貧乏人」という言葉。

友人たちが立ち去ったあと、彼女は言った。

「貧乏人って……」

「え? いや、誰かと間違うてるんやろ」

「そやけど、名前、ちゃんというてたよ」

「いや、それは……」

その後、彼女は一言も口をきかず、その日は別れた。後日、どこでどう調べたのか、彼女はわたしの生い立ちを知り、つめよった。

「お金持ちって言うのは大ウソ! けど、一番イヤなのは貧乏ってことよりも、ウソを言ったこと」

彼女との淡い恋は幕をおろした。

けれど、わたしはたとえ一時でも、ウソの効果で女の子と仲良くなれたことの方が大切だった。やがて、高校を卒業して大阪市内で働きはじめ、一人暮らしをはじめると、その傾向はいっそう強くなった。

住んでいたのは、やはり古ぼけたアパートで、しかも仕事はしがない工員だった。独身の寂しさをまぎらわせるために、家に帰る前はいつも飲みに出かけていた。そうこうしているうちに1軒、馴染みのスナックができ、わたしはほとんど毎晩通いつめるようになっていた。

わたしが常連になりはじめたころ、アケミという女の子がホステスとして勤めるようになっていた。歳は20歳。水商売は初めてらしく、初々しさの残る可愛い女の子だった。

わたしは、その店のママにも、素性は明かしていなかった。だから、酔った勢いも手伝い、ついついホラ話をはじめてしまう。

「じつは今まで隠していたけど、ボクは商社に勤めているんだ」

「へえ、商社マンなんや」

「ああ、今はまだ国内勤務が多いけど、来年か再来年には海外出張も多くなりそうなんだ」

アケミのわたしを見る目が、日を追うごとに変わってくる。これは脈ありと思ったわたしは、無理をしてその店では一番高いボトルを入れる。

カウンターだけの狭い店で、10人も入れば満員なのをいいことに、新しいボトルを入れたときには店の客全員に振舞う。もちろん、生活はキュウキュウになるが、朝昼晩の飯を抜いても、その店では羽振りのよさを見せ付けた。

そうなるとアケミは、ますますわたしに好意の視線を向けはじめる。わたしは思い切って、彼女をアフターに誘ったのだった。

「よかったらこのあと、寿司でも食べに行かない?」

アケミは躊躇も見せずに承諾した。

慣れない寿司屋に入り、馬脚をあらわさないように細心の注意を払い、その日はアケミと別れた。アケミは少しつまらなそうな表情をしたが、「明日早いから」とわたしは言い残し、家に戻る。

これは計画的な行動であって、「急いてはことを仕損じる」の教えにもとづく。案の定、次に店を訪れると、今度はアケミの方からわたしを誘ってきた。

そうなれば手中に落ちたのも同じこと。わたしはふたたび寿司屋に誘おうとしたが、アケミから断ってくる。

「この前もごちそうになったし、それに……」

もじもじするアケミ。

「じゃあ、ラーメンでも食べて家まで送ろうか」

「ううん、帰りたない」

ここまで言われて、紳士を気取るほど朴念仁ではない。わたしははやる心をおさえ、ホテルのアケミを連れ込んだのだった。

お互いにシャワーを浴びてベッドにあがる。バスタオルを身体に巻いただけのアケミからは、若い女特有の甘い臭いがわき起こる。

わたしはゆっくりとバスタオルを取る。露呈されたアケミの身体は、艶やかに光沢を放ち、幼さの残した曲線を描いていた。

「いいのかい、ボクで」

「うん」

アケミは小さくうなずいた。

わたしは、できるだけ丁寧にアケミの身体をなぞり、舐った。そのたびにアケミは小さくせつない声をあげる。

わたしは乳房に手を伸ばし、桜色の乳首を含む。ほのかに固さの残る胸乳。わしづかみにしながら股間へ手を忍ばせると、アケミはわたしの手首を握った。

「やさしくね」

「あ、ああ、もちろん」

「わたし、初めてやから」

その言葉を聞いて、わたしは驚く。生活のために水商売を行っているが、アケミは身持ちの固い女の子だったのだ。

そんな場面に出くわすと、いかなわたしも彼女をだましていることに悔いをおぼえる。とはいえ、ここまで来てはあとに戻れない。

「まあ、なるようになるわ」

「え? なんかいうた?」

「え? い、いや……」

わたしはごまかしながら彼女の手を払いのけ、股間に顔をうずめた。

処女特有の甘酸っぱい匂いを、わたしはアケミの秘部に嗅ぐ。舌を伸ばして肉ビラをなぞれば、ねっとりとした蜜があふれ出る。わたしはすすりながら指を差し入れ、内部をかき混ぜた。

「やん、ダメ、アカン……」

アケミは大きく身悶えする。

わたしは我慢の限界をおぼえた。一物はすでに大きく屹立をはたしている。十分にアケミの部分が濡れそぼったのを知ると、わたしは彼女におおいかぶさり、両脚の間に身体を割りいれたのであった。

「お願い、お願い……」

「わかってるがな」

それまで丁寧すぎるくらい丁寧に言葉を選んでいたわたしだが、そのときになって地が出てしまった。アケミは聞き逃さず、けげんな表情を浮かべる。しかし、ときすでに遅し。わたしは硬直した一物をあてがい、グイッと一気に内部へめり込ませたのであった。

「あ!」

アケミは処女膜の破れに表情をしかめる。ここまできたら、わたし自身がどうであるとか、アケミがわたしをどう思っているとか関係ない。欲情のままに腰を律動させ、処女の締めつけを味わう。

「い、痛い!」

「すぐにようなるて、ちょっとの我慢や」

わたしは激しく抜き差しをくり返した。アケミは唇をかんでこらえている。わたしはそんなアケミの表情、そして肌の質感を楽しみながらはてたのであった。

その数日後、店を訪れたわたしにアケミの態度は冷たかった。

「どうしたの?」

わたしは平静を装いながらたずねる。しかし、アケミは返事をせず、ママも無愛想だ。わたしは2、3杯飲むと、冷ややかな空気に耐え切れず店を出ようとした。

そのとき、アケミは言った。

「もう、二度とわたしの前に姿、見せんといて」

「え?」

「ウソつき。わたし、ウソつく人大きらい!」

どうして、わたしの正体がばれたのかはわからない。けれど、こういわれてしまったら、おとなしく引き下がるしか仕方はなかった。

痛い目にはあったが、それでも虚言癖は治らない。そんなわたしも、真剣に好きなった人はいた。ちょうど30歳のときに出会った女性だった。

わたしは勤めていた工場を辞め、喫茶店のバーテンをしていた。彼女はアルバイトに入ってきた女子大生で、名前は好子。なんでも学費を稼ぐためにバイトをはじめたという苦学生で、目もとが涼しく、なんとなく気品もある。そんな彼女とある日、昼間の休憩が一緒になったときのことだった。

「どうしてこのお仕事を」

「いや、自分で店を持ちたくて」

ウソである。なんとなく面白そうだから勤めているだけだ。

「へえ、すてきですね」

「まあね。それに、ボクの実家は資産家で、土地があり余ってるんだ。だから、そこに店でも建てないかと両親がうるさくて。固定資産税が払える程度の売り上げがあれば大丈夫なんだ」

ついつい口にしてしまうデマカセ。しかし、彼女は確実にわたしに憧れを抱きはじめている。そんな気がした。

「でも、そんな資産家の御曹司が、どうして今まで独身なんですか?」

「え?」

「おいくつですか?」

「30だけど」

「世の中の女の人が放っておかないでしょ」

いわれてみればその通りだ。わたしは必死に言い訳を考える。

「い、いや、その……、じ、じつは婚約まではいったんだ」

「へえ、そうなんですか」

「そ、そのときボクは商社マンで同僚の女の子で……、で、その、つまり……、し、そう、死んじゃったんだ」

その言葉に好子は目を丸くする。

「事故でね。そのときからすべてがいやになって会社を辞めて、でも親も年だし、それでこの仕事を……」

いまから思えば、辻褄は合っていない。親の高齢と婚約者の死、そしていやになって辞めた商社の仕事と喫茶店を開くことは、どう考えてもつながらない。

けれど、好子は慈愛に満ちた目を見せて話を信じてくれた。そのときは、たしかにそう思った。そしてわたしは、好子に惹かれていく自分を知ったのであった。

それからわたしたちは、機会があると話し込むようになった。友人も少なかったわたしには、好子だけが寂しさをまぎらわせてくれる相手だった。

彼女もわたしの話を真剣に聞いてくれた。本当にわたしは資産家の息子で、将来は贅沢に暮らせる身分だと、勘違いするようにもなっていた。

歳は離れているけれど、二人の間は徐々に深まっていった。わたしは休みの日に彼女を誘い出し、高級車をレンタルしてレストランに誘ったりもした。

好子はわたしの話を、いつも興味深げに聞いてくれた。そんな日が過ぎ、好子は就職活動とかでアルバイトを辞める日がやってきた。

「寂しくなるね」

「ええ、でも、いろいろとありがとうございました」

「いや、こちらこそ」

「ところで」

「はい?」

「お話をもっと聞きたいな。できれば、朝まで」

それは好子からの誘いだった。わたしに異存はなく、彼女と食事をともにした。そしてその夜、わたしたちは初めて結ばれた。

アケミのように処女ではなかったが、好子の身体はダイナミックで、胸も大きく、締まった腰つきがなんとも色っぽい。わたしは彼女を抱きしめ、豊満な乳房をしゃぶり、挿入をはたす。彼女は大きく身をのけ反らして喘ぎ、悶え、ときには自ら馬乗りになって腰を振り、わたしの満足を導いてくれた。

一戦を終えたあと、好子はわたしの横顔を見て、ポツリともらした。

「いままでありがとうございました」

「い、いや、けど、バイトを辞めても……」

「ううん、きょうで最後、だって、もう十分だから」

好子はそういって身を起こす。わたしは彼女の言葉の意味がわからずにいる。

「わたしね、小説家志望なの、けど、ウソが下手で」

「え?」

「作家はいかにじょうずにウソがつけるかが仕事なの。それをわたしは教えてもらいました。あなたは最後までウソをつき通してくれた。しかも、ごちそうしてくれたりドライブに連れてってくれたり、無理までして」

わたしは完全に言葉をなくす。

「でも、女性をだますウソはダメです。けど、あなたも小説家になれるかもよ」

好子はそういってベッドからおりると、さっさと服を着て部屋から出て行ったのであった。

さすがにこのときはショックだった。しばらくは本当に何もかもがいやになり、仕事も辞めた。

だが裏を返せば、わたしは人からほめられるほどのウソツキだということも知った。これはひとつの才能だ。

そう考えたわたしは、その後もウソをついた。とくに、女性と仲良くなりたいがためのウソをつく。しかし、結果はよくない。親しくなってもすぐにバレ、あとは散々な目にあう。おかげで還暦をこえたというのに、いまだに独身だ。

【選者紹介】

長月タケオ(ながつきたけお)

1962年生大阪府出身在住。1988年官能小説誌への投稿でデビュー。

1995年第1回ロリータ小説大賞(綜合図書主催)佳作受賞。

おもな著作『ひとみ煌めきの快感~美少女夢奇譚』(蒼竜社)

『病みたる性本能』(グリーンドア文庫)

『禁断の熟女』(ベストロマン文庫・共著)

『19歳に戻れない』(扶桑社・電子版)

『誘惑する女 熟女たちの悦楽』(九月堂・電子版)

ほか

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