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長月タケオ選「中高年の性告白」第37回 岐阜県在住O・Tさん(56歳)の告白【バイブを隠し持っていた女房】

このコーナーは官能小説家の長月タケオ氏が一般の中高年読者から寄せられた「性の告白」をご紹介するものです。そこにはシニアである我々同世代が共鳴する「あの頃」の時代背景があり、実体験ならではの生々しい「性の現実」があります。懐かしくも妖艶な古き良き官能の世界をご賞味頂ければ幸いです。編集長

【バイブを隠し持っていた女房】

O・T 56歳 岐阜県出身

元来が女好きで、女房には苦労をかけたと思っている。思ってはいるがもはや病気に近く、少しでも脈ありと察すると近づいていって甘い声をかけてしまう。

自慢するわけではないが、これでも結構もてるほうで、社内のOLや近所の主婦まで食べてきた。ストライクゾーンは広い方で、よほど難がない限りOKだ。

おかげで相手の旦那と修羅場を繰りひろげることもあったが、どうにかこうにか収めてきた。思えば、死んだ親父も女ぐせが悪く、これは遺伝でもあると思ってきた。

女房とは30歳のときに結婚した。子どもができなかったのも、わたしを浮気に走らせた原因かもしれない。また、女房はいまどき珍しい古風な考えの持ち主であり、つくすタイプだ。わたしがどんなに外で遊んできても、朝帰りになっても文句ひとついわず、迎え入れてくれた。

感謝はするが、くせは治らない。こんな男といっしょになった女房の方が悪い、と虫のいいことを思いながら、いままで過ごしてきた。

そんなふうだから、もちろん女房とは長いあいだ同衾していない。寝室は同じだが、ベッドは別だ。

外で女を抱いたあとで、女房が抱けるほど、いかなわたしも図々しくはないし、その気もない。女房はすでに性欲を失っているのだと勝手に思い、自分は自分で、とっかえひっかえ楽しんでいたのである。

そんなある夜のこと。

わたしはいつも通りに、不倫関係にある会社の部下とホテルで楽しみ、遅くに帰ってきた。

食事も済ませているし、シャワーも浴びている。しかも酒まで飲んでいたので、服を脱ぐとパジャマに着替えるのももどかしく、そのままベッドにもぐり込んだ。

わたしがまどろんでいると、女房もとなりのベッドに入った。いつものことなので、そのまま眠ってしまおうと思っていたが、どうも女房の様子がおかしい。わたしは彼女の方を向いて薄目を開けた。すると女房はベッドの上に座り、わたしをじっと見つめていた。

「なんだ?」

わたしは寝ぼけながらいう。

「ううん」

女房は短く答えると、そのまま自分も布団をかぶった。

どれくらい時間がたっただろう、わたしが尿意で目をさますと、女房の姿がないのに気づいた。

「あいつも便所か?」

そんなことを思いながらトイレに向かうが、女房の姿は見当たらない。そのときシンとした家の中で、ブ~ンという聞きなれないモーター音が聞こえてきた。

「冷蔵庫にしては、おかしいな」

わたしは音のする方に足を向ける。音はリビングから聞こえてきた。

明かりのともされたリビングルームに女房はいた。

「なにしてるんだ?」

わたしはドアを開けて聞いた。

「え! ううん、何も」

女房はろうばいして答える。こっちに背中を向け、ソファーに座っているので、何をしていたのかはわからない。

「遅いんだから、早く寝ろよ」

わたしはそういい残してドアを閉めた。その時点でモーター音は消えていた。

その後、わたしは女房の行動もモーターの音のことも忘れていた。そして9月半ばの連休を利用して、わたしは不倫相手と2泊3日の旅行に出かけたのだ。

温泉に浸かり、山海の珍味を食べ、そしてセックス。相手は25歳で背も高く、グラビアモデル並みのスタイルをし、そのうえ貪欲なスケベ。昼夜構わず彼女は求め、わたしも応じる。長い手脚に豊満な乳房、つやつやで張りのある肌に締りのいいアソコ。

テクニックは、風俗で食べていけるんじゃないか、と思えるくらいにたくみで、射精でしぼんだペニスも、彼女の舌技にかかれば見る見るうちに回復する。

覆いかぶさり、上に乗せ、ときには後ろから貫く。わたしはそれこそ粉も出なくなるほど堪能し、女房が待つ家へ戻ったのであった。

「ただいま~」

予定より早く戻ったわたしは、へとへとになって台所へ向かった。

「まずはビール、ビール、と」

冷蔵庫を開け、缶ビールを取り出す。そしてリビングに入り、ソファーに腰かけると、たんすの引き出しが半分開いているのに気づいた。

「なんだ?」

普段なら気にもとめないはずなのに、その日に限って、わたしは引き出しの中を確かめた。

「なんだ、これは?」

見慣れないものがタオルにくるまれて納まっている。取り出してみると、それはまぎれもなくバイブレーターだった。

「こ、こんなもの……」

わたしは女房の奇妙な行動と、モーター音を思い出した。

「そうか、あいつ……」

そのときリビングのドアが開いた。そこには驚きの表情で立ちすくむ女房がいた。

「お前、こんなもの」

わたしは怒鳴りつけてやろうかとも思った。しかし、その理由が見つからない。女房がおもちゃを使っていたといって浮気ではないし、それに不倫旅行から帰ってきたばかりという後ろめたさもある。

それは女房もわかったのだろう。彼女は至極冷静な表情でわたしに近づき、バイブを奪った。

「お早いお帰りね」

「ああ、まあ」

「楽しんできたのね」

「ああ……、い、いや、接待旅行だから」

「ふうん、首筋に赤いあざがあるわよ」

わたしはあわてて探る。

「ウソよ」

女房はそういって、バイブを引き出しに戻した。

「な、なあ」

「何?」

「どうして?」

「何が?」

「いや、その……」

「わたしだって女だから」

その言葉に、わたしは意表を突かれた気分になる。

「それは、わかってる……」

「ウソいわないで。アナタはわたしのことを、便利な家政婦か何かだと思ってるんじゃないの」

「そんなことはない!」

「どうだか」

女房はそういってリビングを出て行こうとした。

「そうだ、食事は、どうするの?」

「あ、ああ」

「じゃあ用意するわね」

その日の夕食ほど、味気ないものはなかった。久しぶりに差し向かいではしを動かすものの会話はなく、ときおり女房に視線を送っても、彼女はわたしを完全に無視している。

その日の夜。わたしはベッドに寝転がりながら、昔のことを思い出していた。

出会った頃の女房は、いまとまったく変わらず、つつましやかでおとなしい女だった。わたしは物足りなさを感じてはいたものの、結婚するならこれくらいがいいかと思い、式を挙げた。

女房はそんなわたしにも、誠心誠意つくしてくれた。子どもができず、両親に嫌味を言われても、じっとこらえていた。そして女房にとって、わたしは最初の男だった。

開発されていない女房の身体はやわらかく、すべすべしていて心地よかった。胸も小さく、色気にはとぼしいが、それでも窮屈なほど締まりのある陰部といい、すすり泣くような声といい、愛しさに満ちた魅力にあふれていた。

それでもわたしは、ほかの女に手を出した。相手の男が乗り込んできたときも、女房は土下座をして謝ってくれた。そのためにいくらかのカネが必要になっても、女房は黙って差し出してくれた。

「なあ、起きてるか」

わたしは横で眠る女房に話しかけた。

「何?」

「オレはひどい男だよな」

「何よ、いまさら」

「でも、お前はじっとたえてくれた。なんでだ?」

女房はしばらく黙っていたが、ポツリと答えた。

「だれと浮気していても、必ず帰ってきてくれる。そして……」

「そして?」

「アナタはやさしい人だから」

「オレが?」

「目が」

「目?」

「あなたの目が一番好きなの」

わたしは思わず落涙してしまった。そして、そのまま女房のベッドに忍び込んでいく。

「すまない、すまない」

「イヤよ。泣かないで」

「いや、ごめん、ごめんなさい」

「疲れてるんでしょ、寝るわよ」

「ああ、けど」

「けど?」

「朝までこうしていてくれ」

その日は何もなかった。けれど次の日、早くに戻るとわたしは久しぶりに女房を抱いた。

確かに若さや色気はないものの、そこには長年つれ添ってきた思い出や安らぎがいっぱいに詰まっていた。

しばらくのち、わたしは不倫関係を清算した。相手の女はいとも簡単に受け入れてくれた。

わたしはできる限り女房と過ごすようになった。彼女のバイブはたぶん、たんすの引き出しに納められたまま。もう二度と使われることはないだろう。

 


【選者紹介】

長月タケオ(ながつきたけお)

1962年生大阪府出身在住。1988年官能小説誌への投稿でデビュー。

1995年第1回ロリータ小説大賞(綜合図書主催)佳作受賞。

おもな著作『ひとみ煌めきの快感~美少女夢奇譚』(蒼竜社)

『病みたる性本能』(グリーンドア文庫)

『禁断の熟女』(ベストロマン文庫・共著)

『19歳に戻れない』(扶桑社・電子版)

『誘惑する女 熟女たちの悦楽』(九月堂・電子版)

ほか

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