街角ニュース ほぼ毎日更新!街角のニュースをお届け

2019.12.25

【年末年始大特集】シニアの健康大作戦「精力剤の真実」の巻

いよいよ、待ちに待った正月休みに突入します。普段は精力的に仕事をしている皆様も、この時期ばかりはゆっくりと休暇を楽しむ予定を組んでいるのではないでしょうか。たまには仕事のことを忘れ頭を空っぽにすることも日々の生活には必要です。

しかしその反面「1年の計は元旦にあり」とも申します。

お金のことや人間関係についてあれこれと考えるのも良いですが、特に中高年世代になって考えたいのは健康のこと。この際ですから、内臓や生活習慣だけでなく、若さや健康についてじっくり考えたいものです。

また、この年代にとっては「下半身の健康」も気になるところです。

そこでこの度も『金王坂クリニック』の西大條文一先生をゲストにお迎えし、シニアの「下半身問題」について、ご教授いただきました。

今回のテーマはED薬に代表される精力剤です。

では、さっそく西大條先生のお話を聞いてまいりましょう。

【4人に1人がEDで悩んでいる】

ED(勃起不全)で悩んでいる男性は、なんと日本に1100万人以上いるのだとか。ざっと見積もって4人に1人という割合なので、意外と多いですね。もしかして、あなたもその一人でしょうか?

ひと頃、セックスレスが話題になりましたが、高齢になれば頻繁にセックスをするのは恥ずかしい、という傾向から、40代で4割弱、50代で約半数が”ご無沙汰”だというのが現状のようですが、性的な欲求があるのにEDのせいで性交渉ができないという御仁からすれば、なんともゼイタクな状況ではありませんか。

なかには「妻だけED」という症状もあるようで、相手が妻だと勃起しないが、他の女性なら問題ない、というわがままなEDもちらほらあって、これはこれでやっかいな問題ではあります。

いずれにせよEDの原因は、ストレスなどの精神的な要因と、動脈硬化などの生活習慣病が要因になっていることがほとんどですが、そうした背景にある疾患との関連を棚に上げて、手っ取り早く勃起薬で何とかしようと考える男性は多いようです。

ただ、ここで問題なのは、医師や専門の医療機関に相談に行かず、インターネットで検索して精力剤を購入してしまうことです。実際に、医療機関で治療を受けている人は、想定患者数の1割にも満たない数値です。

これは、「恥ずかしくて相談できない」「病院で患部を診られるんじゃないか」などといった理由から病院を敬遠し、誰にも知られず手軽に買えるネットに走ってしまうケースが多いからですが、実はここには死に至る大きなリスクがあることを知らなければなりません。

約4割が危ない偽造薬を買わされている】

本来EDは、原因を確かめて、しっかり治療を続ければ治る疾患であるのに、そのことを理解せず、単に「性的能力が劣る」という現象面だけにとらわれて、不安になり、一人で悩んだ挙句、最後にすがったのがネットの勃起薬、という悲しいパターンは枚挙にいとまがありません。

こうしたネット上の薬剤は、医師の指導の下に服用する正規のED薬と違って、インドやアジアの闇工場で製造された偽造品であることが多いのです。

実際、ED薬を製造販売する製薬企業4社が行った調査では、ネットで売られているED薬の4割がニセモノだったという結果です。

個人輸入代行業者のサイトを覗いてみると、「バイアグラ」「レビトラ」「シアリス」というおなじみのED治療薬がもっともらしく並んでいますが、その中身はというと、有効成分がほとんど含まれていないものもあれば、逆に正規品の1.5倍以上多量に含まれているものがあったり、正規品には含まれていない怪しげな物質を含んでいるものも見つかっており、健康を害するようなものが多いとのこと。

実際、こうした偽造薬を飲んで救急搬送されたケースはいくつもあり、たとえば殺鼠剤や麻薬の成分が含有されていたり、血糖降下剤が含まれていたため、服用後に低血糖状態になり死亡するという事故も起きています。

死亡するまでではなくても、他にもさまざまな健康被害が報告されています。

「不整脈が出た」「下痢と嘔吐を起こした」「胸を圧迫されるような痛みや、首や背中に鈍痛が出た」「意識を失い痙攣を起こした」「目の前が真っ暗になった」など、偽造薬は命にかかわるリスクを持っているといえるでしょう。ただ、どれが偽造薬かを見分けるのは難しく、素人が判断できるものではありません。 とにかく、ネット上のED薬には手を出さないことが賢明です。

昨年の事件ですが、大阪でわいせつDVD販売業者が逮捕されました。このとき、ED治療薬の偽造品約4000錠が押収されたのです。どうやら違法DVDとED偽造品のセット販売が最近のトレンドになっているようで、この事件は氷山の一角だということです。

このDVD販売業者が配布していたカタログを見ると、「シ○リス10錠4千円」「30錠9千円」とあり、シアリスの正規品の価格が1錠1700円であることを考えると、破格の値段です。そうした安価も拡大の一因なのでしょう。

また近年、税関での輸入差止も増えています。15年に日本の税関で輸入差止となった偽造医薬品は1030件、10年前に比べて100倍もの件数にのぼっています。そして、その大半はED治療薬だということです。米国などでは、周囲や医師にED治療の相談をすることにそれほど躊躇しないので、ネットで怪しい偽造品をつかまされるという被害は少ないようですが、日本人はEDに対する羞恥心が強く、どうしてもネットの個人輸入を利用する割合も高くなるため、健康被害を受ける事例は多く、またその被害を隠そうとして適切な処置に至らないということもあるようです。

一方、たとえ偽造品でなかったとしても、ED治療薬は副作用があるので、泌尿器科専門医の指導の下に服用すべき薬剤です。

よく知られているのは、狭心症治療薬のニトログリセリンとの相互作用ですが、危険なのは狭心症だけではありません。血管に持病がある場合や、肝臓や腎臓に何らかの障害がある場合、血が止まりにくい人など、飲んではいけないケースもあります。ときにはその人の体格や体質によっても、著しい副作用が起きる恐れもあります。

これらのことを知らずに、自己判断で服用することがいかに危ないかということを理解しておきましょう。

【EDは漢方薬で改善する?】

漢方の精力剤というと、「マムシホルモ」「オットセイエキス」「ヨヒンビン」などを思い浮かべる方も多いのでは?これらは「漢方生薬製剤」と呼ばれるもので、今回紹介する漢方薬とは全く別のものです。「漢方薬」は中国が起源としますが日本で独自に発展したものです。古典の処方に基づいて複数の生薬から構成されていることが特徴です。1つの成分で勝負する漢方生薬製剤とは違って、漢方薬は体全体を捉えて根本的な改善を得意とします。

言ってしまえば西洋薬のED治療薬も漢方生薬製剤もあくまで対症療法に過ぎません。その効果は一過性であり、服用を止めれば元に戻ってしまいます。弱った体にムチを打つように強制的に血流を改善し生殖機能を高めるだけで、根本的に改善してくれる精力剤ではないのです。

一方で漢方薬は精力の衰えを、もっと生命の根源にある根本的なバランスの乱れとして捉えます。西洋医学のEDは漢方で陰萎(いんい)といい、古くから治療対象として重要視されてきました。なぜならば生殖機能の衰えは、生活の満足度(QOL)を下げるだけでなく、次世代を残すという人類としての大きな目的を果たせなくなるという問題も含んでいるからです。食生活の乱れやストレスにより体のバランスが乱れている現代人にこそ、漢方が強い味方となってくれます。

【漢方ならば生殖能力を根本から改善できる】

漢方では、性機能の衰えを「腎」の衰えとして捉えて治療を組み立てます。「腎」というと、臓器の「腎臓」を思い浮かべるかもしれませんが、「腎」は先天の気(生命活動を営むエネルギー)を蓄える生殖活動や生命の根源を主る概念です。他にも、「腎」には水分を主る作用があり、尿を作り出すという腎臓の機能、水分代謝、体温調節、健康で丈夫な骨や歯の維持にも関係しています。また、白髪が増えるのも「腎」の衰えのサインの一つ。つまり「加齢による変化」=「腎」の衰えだと言えます。

漢方における精力剤は「腎」のはたらきを補うことがメインとなります。「腎」の機能を高めて、生きるために必要なエネルギーと機能を活性化させます。ただし、すぐに効果をもたらすものではないので、ED治療薬のような即効性を体感できる薬ではないことを理解しておきましょう。過度な期待をもとに間違った解釈で漢方を使ってしまうと、「なんだ期待外れじゃないか!」となりかねません。部分をターゲットとする西洋薬と異なり、漢方はもっと深いレベルで生殖機能の改善を目指すので全く別の性質のものです。

例えば、牛車腎気丸や八味地黄丸、補中益気湯などは足りない腎気を補って、本来持っている体のチカラを呼び覚ますことにより真の精力をつけてくれる薬です。体に寄り添うように働くので、ED治療薬のような強い副作用が出ることはほぼありません。安全性の観点から考えても怪しい精力剤とどっちが体に優しいのかは明白でしょう。精力剤で不慮の事故が起きてしまった…なんて、洒落にもなりませんよね。

【精神的ストレスからくる心因性EDも適応する】

ストレス社会の現代では仕事のストレス、人間関係によるストレスなどが原因のEDも増えています。このような心因性のEDに対して、西洋薬のED治療薬を使っても改善されないケースが見られます。原因となるストレス・トラウマを取り除かなければならず、一筋縄では行かないことが多いのです。もっと根本的な原因にアプローチする必要があります。

漢方では心因性EDを「気滞」が原因と捉えます。エネルギー不足の巡りが悪い状態を改善する効果があるのが、柴胡加竜骨牡蛎湯や桂枝加竜骨牡蛎湯です。ストレスによる気の滞りを改善することで、イライラや不安が強い場合のEDに適応します。このような根本から整えてEDとなる原因を改善するという働きはいわゆるED治療薬にはありません。

【自己流は危険!安全な精力剤は専門家に相談】

症状と目的により、西洋のED治療薬の方が優れていることもあれば、漢方薬を使った方が良いこともあります。どちらかの選択肢に限定してしまうのではなく、上手にかしこく使い分けてこそデキる男のED治療ではないでしょうか。

特に、体に負担の大きいED治療薬による副作用、怪しい偽薬による健康被害のリスクを考慮して、慎重に判断していただきたいものです。西洋薬を使うにしても、漢方を選ぶにしても、恥ずかしがらずに専門家に相談した方が安全です。

西洋薬の場合は症状をターゲットとするので、基本的には誰に対しても同じような薬が用いられます。その一方で、漢方薬の場合は、同じ症状であっても体質・体力、さらには性格なども考慮して選びます。自己流で選んでも十分な効果が発揮されないことが多いため、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談して使うようにしましょう。

●漢方の気になる疑問を解消!

Q. 病院でもらう漢方薬と市販の漢方薬は何が違う?

A. 医療用漢方薬は医師の判断によって使われるもの、一般用漢方薬はご自身の判断で自由に選択できるものという点が違っています。自由ネットで手に入る漢方薬も一般用です。自己判断で使うことからも安全性が考慮されているので、一般用医薬品の漢方薬に含まれる生薬と含有量は種類、メーカーによって変わります。医療用の方が効果が強いことが多いですが、特に基礎疾患がない場合であればまず市販を試してみるのも手です。

Q. 漢方はすぐに効きますか?

A. 症状によって効果の速さは異なります。風邪薬のように飲み始めて数十分から数時間で効果をもたらすほど即効性がある漢方薬もありますが、慢性的な症状の場合は1-2週間程度飲むと何らかの変化を実感できることが多いです。精力増進については少し気長に取り組んでいただければと思います。

Q. 効能効果で漢方を選んでいいの?

A. 西洋薬は症状が同じであれば、基本的に誰でも同じ種類の薬を用います。漢方では「証」とは体全体の状態を捉える’’ものさし’’を基軸として、体格・体質・心理状態・病気に対する抵抗力などを含めて漢方薬を選びます。正しく「証」を見極めてこそ、漢方薬はその効果を発揮するのです。この「証」の判断については知識だけでなく経験も必要です。効能効果を見て自己流で選ぶのではなく、専門家に相談した方が失敗が少ないでしょう。

Q. ED治療薬と併用してもいいの?

漢方薬とED治療薬を併用することは可能です。それぞれ違ったメリットがあるので、併せて使用することで効果的な治療ができるケースもあります。ただし、自己判断による併用では思わぬトラブルが起きることもあります。必ず医師や薬剤師に相談しましょう。

Q. 漢方に副作用はありますか?

安易に市販薬を自分で選んで服用すると、体に優しいイメージのある漢方といえども副作用が出ることがあるので気をつけたいところです。心疾患がある方や甲状腺疾患がある方などは漢方薬選びは慎重に行うべきでしょう。特に、「精力剤」と大々的に謳って宣伝しているお薬には特定の成分が高用量に入っていることもあり、強い副作用に注意が必要です。一方で、漢方薬も副作用には注意は必要ではありますが、強い副作用が出ることは稀です。

Q. 漢方の選び方を教えてください

A. 漢方薬を選ぶときは症状と目的だけでなく、体質・体力なども含めて総合的に選ぶことが大切です。体力がある方向けの漢方薬を体力がない方が服用すると、思わぬ副作用が出ることがあります。一般用漢方薬を「体力」を軸にご自身で選ぶこともできますが、本来は「気血水の乱れ」「虚実」「陰陽」など様々な要素を考慮して選んだ方がぴったりな漢方薬に出会う確率は高まります。自己判断で選ぶよりも、漢方に詳しい医師または薬剤師に相談することをおすすめします。

Q. 漢方薬の入手方法は?

医療用と一般用により入手方法が異なり、医療用漢方薬では医療機関を受診して医師に処方してもらう必要があります。お近くの漢方内科や漢方専門の病院で相談してみると良いでしょう。

例えば、新千円札の図柄にも選ばれた北里柴三郎さんが学祖である北里大学付属病院には漢方薬を自由診療にて処方してもらえる漢方鍼灸治療センターがあります。

https://www.kitasato-u.ac.jp/toui-ken/center/

またご自身で近くの東洋医学会認定の漢方専門医を探すこともできます。

http://www.jsom.or.jp/universally/index.html

一般用漢方薬を購入したい場合には、漢方薬・生薬認定薬剤師のような専門的な知識を持った薬剤師のいる薬局で相談する方法もあります。

http://www.jpec.or.jp/nintei/kanpou/index.html

最近ではAIを活用したネットの漢方相談サービスも注目されています。健康相談から漢方薬の宅配までワンストップにて、漢方薬局と同等のサービスをすべてご自宅で受けられるサービスです。特にプライバシーが気になるED治療、精力減退などのご相談であれば、顔が見えないという点でインターネット相談が安心です。他の飲み薬との飲み合わせについても相談できます。専門コンシェルジュが付いて初回2,980円。まずは無料の体質判断+症状 チェックを受けてみては?

https://www.kamposupport.com/anshin/

取材協力:

監修:金王坂クリニック院長 西大條 文一

執筆:ロイヤル漢方クラブ薬剤師 笹尾 真波

クリニック情報

住所 東京都渋谷区渋谷3-6-18第4矢木ビル2F

JR渋谷駅C1出口より徒歩3分

電話 03-5464-1234

https://www.konnozakaclinic.com/

info@konnozakaclinic.com/