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2019.12.13

【大特集】シニアの健康大作戦「認知症を吹き飛ばせ」の巻

早いもので、今年もいよいよ残すところあとわずかになりました。

年をとると1年はあっと言う間です。このペースだと今際の際もあっと言う間に訪れるに違いありません。

こうなったら好きなことややりたいことを全てやり尽くして天寿を全うしたいものです。

そのために一番大事なのは体の健康。そして「若さ」です。

そこでこの度は、素敵な先生をゲストにお迎えし、シニアの健康についてアドバイスをいただきました。

金王坂クリニックの西大條文先生です。

今後は、時々快活60に西大先生をお迎えして健康へのレクチャーをお願いしたいと思います。

さて今回のテーマは「物忘れ」です。

どんなにいい女とやっても忘れてしまっては元も子もありません。

ましてや、クソをした後にケツを拭き忘れたりなどしたら一大事です。

では、さっそく先生のご助言を賜りましょう。

【5人に1人が認知症になる時代がやってくる】

60代以上のシニア層へのアンケート調査で、「健康上の心配ごと、悩みごとは何ですか?」と尋ねると、もっとも多いのが「物忘れ」「認知症」という回答結果です。

認知症は本人の問題だけでなく周囲に大きな影響をもたらす疾患で、介護殺人や自殺、心中といった悲劇が毎年のように繰り返されています。

昨年9月、母親と姉を殺害して自殺を図った無職の宇田川被告の事件をみると、認知症の家族の介護の難しさが浮き彫りになっています。知的障害のある姉の介護をしていた高齢の母親が認知症になり、二人の介護を担った父親が亡くなり、息子である宇田川被告とその妻が仕事を辞めて二人の介護をすることになる。認知症に治る見込みはなく、やがて生活費にも事欠くようになると生きる希望や力を失い、殺害や心中に行きつく、というこの事件の背景は容易に慮ることができます。

また、認知症患者が線路内に立ち入り、列車にはねられて死亡するという事故や、自動車事故で他人を傷つけるという例ももたびたび耳にします。このような他者に被害をもたらした場合には、ご家族が賠償責任を問われる可能性があり、深刻な問題となるケースも少なくありません。

そして、こうした現実は他人事ではなく、いつ自分の身に降りかかってこないとも限りません。いえ、同じ状況になる可能性は年々高くなると言っていいでしょう。

実際、認知症患者は増加の一途で、65歳以上の人に占める割合は、2025年には5人に1人(約700万人)に達すると予測されています。

【初期症状を見逃さないで!】

歳を取れば、だれもが「物忘れ」を実感するようになります。ただ、忘れやすくなったり、物を覚えにくくなるのは年齢とともに起こる老化現象で、認知症のような病気ではないから大丈夫、と安心していませんか?

一般的には、たとえば電車に傘を置き忘れたとき、あとから傘がないことに気づき、「あ、電車に置き忘れた!」と認識できれば正常で、傘を持っていたことを忘れてしまったり、どこに置いたかをまるで思い出せないという状況であれば、認知症のきらいがあるということになります。

でも、何度も傘を置き忘れてしまったり、財布やカギなど大事なもののしまい忘れが目立つようになると、そう呑気に構えてもいられません。

あるいは、人や物の名前が出てこないという現象もよくあることですが、「あれ」「それ」という代名詞がしょっちゅう口をついて出てくるようになると、黄信号だと認識した方がよさそうです。

他にも、同じことを何度か繰り返し言ったりする、少し複雑なドラマのストーリーが理解しにくくなる、以前より疑り深くなった、というような変化に思い当たる節はありませんか?

これらを単なる老化現象だと笑ってすませていると、やがて取り返しのつかない事態に陥るかもしれません。ある日、こつ然と消えて行方が分からなくなっている認知症の行方不明者は、少なくとも1日に30人、年間1万人超に上ります。認知症は自分がなっても、家族の誰かがなっても、悲劇を覚悟しなくてはならない病気と言えます。

もしかしたら明日、高速道路を逆走して、大きな死亡事故を引き起こすかもしれません。いとも簡単に詐欺行為に引っかかって、全財産を取られてしまうかもしれません。あるいはゴミ屋敷と化した自宅が燃えて、大規模な火災を起こしてしまうかもしれません。

なってからでは手遅れなのです。健全な判断ができる今のうちから、しっかり予防対策を講じましょう!

【まず生活習慣を見直すことから始める】

認知症発症のリスクはいくつか指摘されていますが、とにかく回避可能なものから実践すればよいのです。

脳を老化させる物質だと考えられているのが、「アミロイドβ」と呼ばれるタンパク質です。これが脳内に沈着して神経細胞を傷つけることで、神経の活動に障害が起きていると考えられています。

そして、このアミロイドβの蓄積に、コレステロールの増加が関わっていると言われています。コレステロールが増加すると、脳内にアミロイドβが蓄積しやすくなり、それに伴い神経細胞の変性と脱落が起きて、認知症へと進行するのです。

またコレステロール値が高くなると、脂質異常症(高脂血症)となり、動脈硬化を引き起こします。すると、脳の血流が悪くなって起きる「脳血管性認知症」を発症するリスクが高まります。

この他、高血圧や高血糖、肥満(メタボ)など、いわゆる生活習慣病に関わる症状も認知症の重要なリスク因子です。つまり、生活習慣病予防こそが、認知症の予防につながるのです。

生活習慣病と認知症の関係についてはたくさんの研究報告がありますが、まとめるとおよそ次のような内容になります。

1、血圧を下げると、血管性認知症の発症を予防できる

2、肥満解消は、とくに女性において、アルツハイマーの予防になる

3、糖尿病の人は、そうでない人に比べて、アルツハイマー病になるリスクが2倍になる

4、運動しない人は、運動する人に比べて、アルツハイマー病になるリスクが2倍になる

5、喫煙は認知症リスクを倍加する

6、一日、6時間以上テレビを見ると、認知症のリスクは1.5倍になる

7、ビタミン欠乏症、とくにビタミンB1、ビタミンB12、葉酸などのビタミンB群の欠乏により認知症のリスクが高まる

【認知症にならない生活の仕方】

◉日ごろから脳を使う

誰もがスマホを利用する時代になり、情報はすべて手元のスマホで確認できるため何かを記憶する必要がほとんどなくなった昨今。記憶しないので、思い出す作業もなくなり、脳はどんどん怠慢になっています。

簡単な数字を覚えられない、昨夜の夕食の献立を思い出せない、というようなことに心当たりはありませんか?これは、脳をお留守にしている証拠です。使わなければ、あっという間に退化するのです。

そこで、脳をバランスよく働かせるためにおすすめなのが「絵日記を書く」こと。朝起きたら、昨日の出来事を思い出して、絵日記を書くのです。言葉に添えて、絵やイラスト、地図などを描き、ときどき読み返してみて気づいたこと、考えたことなどがあれば、書き足します。

この作業は、脳の記憶力だけでなく、理解力や思い出し力、ひらめき力などを活性化させるので、続ければきっと、「最近、頭がよくなっているな」という自覚が持てるに違いありません。

◉手軽な運動を習慣にする

ある調査によれば、現代人は40年前に比べると身体活動量が40%以下に落ちており、深刻な運動不足になっているといわれています。この運動不足が、多くの健康障害を生み出す元凶となっているのです。認知症も例外ではありません。

アメリカのメイヨークリニック・アルツハイマー病研究センター長のロナルド・ピーターセンによれば「規則的な運動は、薬、知的活動、サプリメント、ダイエットより、現在、私たちが知っているアルツハイマー病の予防の最善の方法」だそうです。

また、有酸素運動により、記憶をつかさどる前頭前野という脳の一部の機能に改善がみられたという報告もあります。

とはいえ、なかなか実践できないのが運動習慣。「運動しなくちゃ!」と気負わず、まずはバス停を一つ手前で降りるとか、駅では必ず階段を使うといった自分のできる範囲のルールを決めて取り掛かるとよいでしょう。

とにかく毎日30分、体を動かしましょう。週末にまとめてやるのではなく、短時間でいいので、毎日実践することがミソです。

外に出るのが面倒なら、室内でもOK。たとえばスキップは脳に有効な運動の一つ。足腰が大丈夫なら、その場で片足飛びスキップをやるのもよいでしょう。

◉30分の昼寝が効果的

記憶が整理されるのは睡眠中なので、当然ですが、良い睡眠をとることは大切です。良い睡眠のためには、就寝・起床時間を一定にして体内時計のリズムを作ることですが、加齢に伴いエネルギー代謝率が低下すると、どうしても不眠を招きやすくなります。そこでおすすめなのが、30分以内の短い昼寝。

不眠症の予防、改善に効果があるだけでなく、国立精神・神経センターの研究によれば、30分ほどの昼寝を週に3回以上続けることで、認知症発症の危険性は5分の1にまで下がるとのこと。昼食後の眠気をもよおす時間帯に、”ちょっと寝”をすることでこんな効果があるなんてうれしいではありませんか。ただし、1時間以上の長い昼寝は逆効果なのでご注意ください。

◉食べ物で変わる脳の老化度

認知症を招く脳の老化は、脂肪酸の酸化と深い関りがあります。つまり脂肪酸の取り方と、酸化を防ぐことが老化を遅らせることになるのです。

まず脂肪酸の取り方ですが、これはどんな油を取るとよいかという話で、魚の油やオリーブ油、えごま油や亜麻仁油がコレステロールを下げてくれる良い油ということになります。

また、酸化を防ぐ「抗酸化物質」としてよく話題に上るのが、赤ワイン。ブドウの皮や種に含まれるポリフェノールがたっぷり入った赤ワインは、抗酸化力の高い飲料として認知症予防の味方です。

カレーのスパイスとして代表的なウコン(クルクミン)もポリフェノールの仲間。カレーをたくさん食べるインド人は、米国人に比べて認知症の発症頻度(65歳以上)が、約1/3という報告もあります。

また、緑茶に含まれるカテキンを、アルツハイマー病マウスに投与したところ、アルツハイマー病の原因とされるアミロイドβを抑制するという研究報告もあり、毎日の緑茶で認知症を予防できる可能性もありそうです。

この他、脳を元気にする栄養素として、ビタミンやミネラルは必須です。要は、野菜や果物をたっぷりとって、バランスの良い食事が肝心ということです。

■亜鉛

亜鉛欠乏により記憶障害が起こる

■ビタミンD

不足すると認知症の発症リスクが高まる

■ビタミンB6・B12

脳の萎縮を遅らせる働きがある

■ビタミンC・E

抗酸化ビタミンと呼ばれ、脳血管のサビを防ぐ

◉認知症を防ぐサプリメントや漢方薬

生活習慣に配慮し、体に良いものをしっかり食べても、認知症のリスクがゼロになるわけではないので、ここはもう少し補強しておきたい!という向きには、認知症のリスクを低減するおすすめのサプリメントや漢方薬をご紹介しましょう。

■n-3不飽和脂肪酸

魚に多く含まれる脂肪酸EPA・DHAが動脈硬化を予防し認知症を防ぐ

■レスベラトロール

ブドウの果皮に含まれるポリフェノールの一種。記憶を担う海馬の働きを改善する

■イチョウ葉エキス

血行促進作用による大脳機能の向上が期待されている

■人参養栄湯(にんじんようえいとう)

基本的な用い方は、病後、術後、慢性疾患などで疲労衰弱しているときの漢方薬です。含有生薬のうち「人参」は抗疲労作用、記憶障害改善作用、骨密度改善作用、動脈硬化改善作用など、「陳皮」は抗不安作用、神経保護作用など、そして「遠志」は記憶障害改善作用、神経保護作用が報告されており、認知症改善の作用が期待されています。

■帰脾湯(きひとう)

体質的に虚弱で内臓下垂傾向のある人の不安や動悸、不眠、健忘などの症状に有効とされています。原典『厳氏済生方』には「思慮過制,心脾を労傷し,健忘怔忡するを治す」と記されており、必要以上に思いをめぐらして精神的に過労となり心(精神活動)と脾(胃腸)とを消耗させた結果、物忘れや胸さわぎがするときに効果があるとされています。

■加味帰脾湯(かみきひとう)

帰脾湯と同様に、虚弱体質の動悸、不眠、健忘、イライラ、のぼせなどに有効とされています。帰脾湯との使いわけとしては、のぼせ、イライラ、胸苦しさなどの症状が強い場合には加味帰脾湯を用いた方がよいとされています。

ただし、漢方薬もお薬ですので、効果を十分に発揮させるには、症状だけでなく体質に合わせて選び、他のお薬との飲み合わせや病歴などもさまざまに考慮する必要があります。安易に市販薬を自分で選んで服用すると、体に優しいイメージのある漢方といえども副作用が出ることがあるので注意が必要です。また、既往症に高血圧や心疾患がある場合は、漢方に含まれる生薬が悪影響することもあるため配慮することが大切です。

認知症をはじめ生活習慣病の予防に漢方を役立てるのであれば、自己流の漢方で十分な効果を得ることは難しいでしょう。なぜなら同じ効果を持つ漢方薬であっても、ひとりひとりの症状や体質によって選ぶ種類が変わってくるからです。

また、単に漢方薬を飲むだけではなく、服用後に専門家のサポートを受けながら続けることも大事になります。適した漢方薬は日々変化するので、その時々での細かな調整も必要です。つまり、漢方薬の効果を最大限に引き出すには、パーソナルな漢方を適切なアドバイスのもとで安全に服用することが肝になるのです。

この機会に漢方をはじめられるならば、自己判断で市販薬を購入するのではなく、医師または薬剤師など漢方の専門家による指導のもとで本格的な漢方を試してみてはいかがでしょう。

「病気ではない=健康」ではありません。真の健康とは精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態であることです。漢方は長く健康で元気に暮らすための、心強いパートナーとなってくれるはずです。皆様が真の健康を手に入れられるよう願っています。

取材協力:

監修:金王坂クリニック院長 西大條 文一

執筆:ロイヤル漢方クラブ薬剤師 笹尾 真波

クリニック情報

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