映画くらいは好きに見せて欲しいものです
夏場に出版業界の関係者などと酒を飲みに行くと、決まって「アノ話題」になります。
夏+アノ話題と言うと、先走った人はすぐに下ネタを連想します。
当然、私もその一人ですが、今回は違います。
正解は「映画の話」です。
実は、我々出版業界に於いてはファッションはもちろんのこと、世界の世相を判断するのに「映画の話」は欠かせないものだったりするのです。
例えば、全米でヒットした映画の中で人気俳優が着ているファッションは、翌年に日本で大ブレイクすることがあります。
事実、バックトゥーザフューチャーの翌年には日本でスケボーがブームになりました。
ジーンズがこれだけ日本に定着したのも、遡ればジェームズ・ディーンのおかげです。
ゆえに映画の話題は翌年の「売れ筋」を占う上で非常に重要なのです。
で、この飲みの席での映画の話ですが、この話題になるといつも私は「置いてけぼり」にされます。
なぜなら、周りの人たちは、誰が映画監督でどの脚本家を使ったなどという「専門的な話」をしたりするからです。
役者がどうのこうの、裏話はああだこうだ、このシーンは脚本家のこだわりがあるとかないとか、小難しい話ばかりで盛り上がります。
反面、私といえば、「映画の見た感じ」にしか興味がないタイプで、監督や脚本家が誰なのかとか、根底に流れるメッセージや哲学といったことなどまるで興味がありません。
そんな時に、不意に「好きな映画は?」などと聞かれると、思わずこう叫んでしまいます。
「トップガン!」
その瞬間に周囲は半笑いになります。
いったい何がいけないというのでしょう。
私はこれほど「タマキンが上がる映画」を後にも先にも見たことがありません。
逆に周囲の映画フリークたちに「タマキンの上がる映画は何か」と聞いてみたいものです。
しかし、ついに私の長年の屈辱が晴らされる日がやってまいりました。
なんと来年、トップガンの新作が34年ぶりに公開されることになったのです。
『トップガン マーヴェリック』
しかも主演は前作と同じく、あのトムクルーズです。
よく、長い年月を経て新作を出す場合は若くて筋肉質の感じの悪いイケメンが、何事もなかったように主演を務めるのですが、本作はジジイになったトムクルーズが務めるというからたまりません。
我々のようなジジイが観なくて誰が観ないというのでしょう。
観ないという選択肢はありません。
予告でも素晴らしいセリフを拝むことができます。
上官に「(お前も)必ず終わりがくる」と言われたトムがこう切り返すのです。
「わかっています。でも今日じゃない」
これには窓際シニアもフル勃起です。
明日にでもパワハラ上司にほざいてやりましょう。
ちなみに今回も監督や脚本家にはあまり興味がありません。
映画なんぞ、難しいことは考えず、タマが上がるか否かで考えるべきですから。
文責:編集長原田