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2019.05.30

そういえば「5月名物」のあの変態はどこに行ったんでしょう

最近は5月からして蒸し暑い日々が続くようになってしまいましたが、私が記憶する限り、ひと昔前の5月は1年で一番過ごしやすい季節だったような気がします。

今は「猛暑日」に押されてすっかり使われなくなってしまいましたが、以前は5月の快晴を「五月晴れ」と言っていました。

だから私の中には今でも5月=清々しい季節という方程式があります。

そんな解放的な季節を反映してか、昔は5月になると、ある種独特な変態が蠢き始めたものです。

それは「ストリーキング」です。

好色な紳士なら誰でもご存知の通り、男女が徒党を組んで全裸で公共の場を走り回るアレです。

もしかしたら中高年世代の中には人生で1度や2度は見たことがあるという方もいらっしゃるかもしれません。

よく「ストリートキング」とか「ストーリーキング」と間違える人がいますが、ストリーキングが正しく、直訳すると「稲妻が閃く」と訳されるそうです。

実は私も過去に1回だけ、その稲妻のような全裸集団を目撃したことがあります。

それは高田馬場駅の交番でお巡りさんに道を聞いていた時のことでした。

一生懸命私に道を説明していたお巡りさんが急に「おいっおいっおいっおいっ」と柳沢慎吾ちゃんのような言葉を発し始めたのです。

同時に周囲から「おわっち」「キャー」「ひーー」などの叫び声が上がり始めます。

何事が起こったのかと後ろを振り向くと全裸の男女3人が早稲田通りを猛スピードで駆け抜けているではありませんか。

ドシーーーーッ!

私も思わず漫画のような声をあげて脱糞しそうになってしまいました。

全裸3人衆は軽快なステップで、ある者は乳を上下に揺らしながら、またある者はタマキンをしゃくりあげながら達者に人混みをかき分けて走り続けています。

その姿はまるで「機動戦士ガンダム」のジオン軍新型モビルスーツ「ドム」が繰り出すジェットストリームアタック。往来の人々はニュータイプでもない限り為す術もありません。

一瞬にして街を騒然とさせたその集団は、そのまま中野方面へ消えて行きました。

あれから30年、毎年5月になるとそこかしこに出没していたストリーキングは今や、すっかりいなくなってしまいました。

過日、偶然にも飲み屋で昔、ストリーキンガーをしていたという男性と隣合わせになりました。

なぜそのような話になったかはわかりませんが、男性はストリーキングが絶滅した理由をこのように語ってくれました。

「ありゃ、学生運動と同じようなもんなんだよ。要は社会に対する全裸というスタイルでの抗議運動なんだ。今は学生運動もなければ、労働組合もパッとしないだろ? 国や社会に対する抗議の気持ちを持つ若者がいなくなったわけだから、そりゃ当然、ストリーキングも絶滅するわな」

ただの変態かと思ったら、なんとも意味深いお話。要は今の日本人は何をされても立ち上がらない、やられたらやられっぱなしが当たり前の世の中になったからストリーキングもいなくなったというのです。

そういえば日米の関税問題や日韓問題、消費税増税に政治家の暴言や忖度など抗議のタネはあまたあるにも関わらず、近頃の若者は誰も抗議の意思を示しません。下を見ながらスマホ弄りで「我関せず」が現状です。このままで良いのでしょうか。

「俺も、もう少し若ければ、またストリーキングをかましてやりたいところだけど、なにしろホラ、走れなくなっちゃったんだよね、年で。それに今、素っ裸になっても、ただの変態にしか見えないしね」

おそらく昔も今も変態にしか見えないオッサンの目が妖しく光るのを私は見逃しませんでした。

オッサンがタイヘンなことをしでかす前に阿部さんは国内外の問題をなんとかしなければなりません。

文責:編集長原田