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2018.10.23

【還暦放浪記】ホームレスのゴミ掃除

今、私がアルバイトとしてやっているマンション管理人の仕事はさほど忙しくない。

だから、空いた時間には管理人室にPCを持ち込んで本業である原稿書きをすることができる。私にとって実に恵まれた環境なのだ。

ただし、その中で唯一といってもいいくらい面倒なことがある。

それはゴミ捨て場のゴミの処理である。

どこのマンションでもそうだろうが、ここでも「可燃ゴミ」「不燃ゴミ」「ペットボトル」「ダンボール」「瓶・缶」に分別してゴミ捨て場に出すことがルールになっている。

ところが、住人の中に不届きな輩がいてあらゆるゴミを一切分別することなく、何もかも一緒にして出してしまうのだ。これでは清掃局が持っていってくれない。

そこで仕方なく、われわれ管理人が分別することになるのだが、中にはとんでもないものが混じっていることもある。

ある日、可燃ごみのコンテナの中に妙に重たい袋が置かれていた。持った瞬間、不燃ごみが紛れ込んでいることが容易に推測できた。

中を確認してみる。

すると、通常の紙くずや食べかすに混ざってバイブやローターなど大人のオモチャが10数個も出てきたのだ。

オーマイゴット!

これは燃えないゴミだっていうの。ちゃんと分別しなくちゃダメ!

しかも、そういういいかげんなゴミの出し方をする人間に限って、住所や氏名が書かれたDMをそのまま一緒に捨てていたりする。

だから、決して詮索するわけではないが、そのごみを捨てた人間が容易に分かってしまうのである。

この大人のオモチャの時もそうだった。

何と、会うといつも笑顔で明るく挨拶してくれる○○○号室の○○ちゃんじゃないの。20代の前半くらいかな。あんな可愛くて清純そうなコがこんなもので毎晩楽しんでいるのかと思うと……、複雑な気持ちになった私であった。

一方、時には思いがけない幸運もある。

何でこんなものを捨てているのかと不思議に思うくらい、まだ十分使える新品の食器や家具、家電などが無造作に捨ててあるのだ。

今、管理人室で使わせてもらっているコーヒーメーカーや炊飯器、トースターなどもゴミ捨て場から拾ったものだが、中でも一番ビックリしたのは「コート・エ・シエル」のリュックサックがビニールの袋に入り、タッグも付いたままというまっさらの状態で可燃ごみのコンテナの中に投げ込まれていたことである。

ご存じない方もいるだろうが、コート・エ・シエルといえば、PCを持ち歩くことを前提に考えられた実用性と、巻貝を思わせるようなユニークなデザイン性を兼ね備えたフランス生まれの斬新なバッグ。今、若者を中心に大人気のブランドだ。捨ててあったリュックはLサイズなので買えば優に3万円はする。

もちろん今でも愛用させてもらっているが、この時以来、面倒くさかったゴミ捨て場での作業が苦ではなくなった。今日も「お宝」があるかもしれないからである。

取材/快活60還暦ホームレス記者:清水一利