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2018.09.11

【快活60秋の味覚SP】究極のロールケーキ

秋ですね。日中はまだ熱気と湿度が残っていますが、夕暮れ時の街の中には少しづつ秋の匂いが漂ってまいりました。読書の秋、スポーツの秋、芸術の秋、天高く馬肥ゆる秋。秋は人の心や体が豊かになる季節です。そして当然、我々シニアにも秋はやってきます。

しかし、同胞の中にはここ最近、まともに秋を楽しめていないという方も少なくありません。

老眼で読書の秋が楽しめず、動くとすぐにあちこち痛めるのでスポーツの秋には参加できず、芸術といったらヌードしかわからない快活紳士にとって唯一楽しめる秋といえば、やはり「食欲の秋」と言えます。

無論、食えれば何でもいいというわけにはいきません。我々は「生い先」が短いのです。一食一食を丁寧に紡いでいかねば、今際の際で必ず後悔することになります。

そこで今回は究極の「食欲の秋」を探し求めて、宮崎県の三股町に行ってまいりました。

なぜ、はるばる当地まで行ったのか。それはそこに死ぬ前に必ず一度は食べたい「あるもの」があるからです。

それが『プチ・シュー』の純生ロールケーキです。

甘いものは苦手だという方も、逃げ出さずにまずは話を聞いてください。

当サイトは「シニア専用」をうたっているわけです。シニア世代に合わないものを紹介するわけがないではありませんか。そうでなければわざわざ宮崎県まで行きません。

むしろ、舌の肥えたシニア世代だからこそ、わざわざ現地に赴いてでも食べたくなってしまうほどの味なのです。

実際、ある有名人がこのプチ・シューの純生ロールケーキをこよなく愛し、わざわざ自分の撮影現場にまで取り寄せたほどです。それが、大杉漣さんです。同店にはそこかしこに大杉さんとスタッフの方々が一緒に写った写真が飾られており、親密なお付き合いだったことがわかります。

どんな味なんでしょう。さっそく、純生ロールケーキを実食です。

旨いっ! なんとも言えぬ食感です。思わず声が出てしまいます。こんな柔らかくてふわふわした食感は、正直、生まれて初めてです。わざわざ遠くまで来て本当に良かったと思える味です。しかも、甘さも程よく、後味が良いのでどんどん食べれてしまいます。冗談抜きに普通に1本いけちゃいます。こりゃ、間違い無くクセになりますな。

ともあれ、プチ・シューの純生ロールケーキは「違いのわかる大人」がなんども食べたくなってしまうほどの味だということは間違いありません。断然、保証します。

しかしながら、まるで麻薬のようにクセになるこの味の秘密はいったいなんなんでしょ?

オーナーであり、純生ロールケーキの開発者でもある谷山修さんにお話を聞いてみました。

谷山さん、このロールケーキは他のロールケーキと何が違うんですか?

「実はもともとはパンを専門に扱っていまして、ケーキは作っていなかったんです。ある“卵との出会い”がきっかけでこのケーキが生まれました」

卵ですか! いったいそれはどんな卵なんですか?

セイアグリー健康卵という卵です。今から20年ほど前に、ある勉強会でセイアグリーシステムという養鶏の方法を使って卵を生産している方と知り合ったことが、その後の私の人生を大きく変えましたね。驚くことにこの卵は未だにサルモネラ菌が一度も検出されていないんです。一般の消費者の方はあまりよくご存じないかもしれませんが、実は無菌卵を作るというのはとても難しいんですよ」

そうなんですか! 全然知りませんでした。いったいどういう方法で作られている卵なんですか?

「最近は、放し飼いを推奨する養鶏場も増えているんですが、その方は放し飼いを否定した方法をとっておられますね。なんでも放し飼いはフンを踏んで歩いたりするので衛生的にはよくないらしいんです。その上で、きちんとした管理体制の元、化学物質の入っていない自然の餌を鶏に与えています」

なるほど。清潔で健康な鶏の卵ということですね。地元宮崎の養鶏場ですか?

「それが実は能登半島の卵なんですよ。それが私も少し気が引けているところでして(笑)。でもこの卵のおかげで、自分が納得のいくパンやケーキが作れています」

素人目にはわかりませんが、パンやケーキを作る上で他の卵と何が違うんですか?

「特に卵白の馬力が違いますね。ベイキングパウダーなどを使わずにケーキができるんです。つまり添加物を一切使わずのケーキやパンを作っていることになりますね。長いこと素材に忠実に作り続けているので、私には添加物の知識がないんです。もしかしたら添加物を使ってパンを作れと言われたら、まともなパンが作れないかもしれません(笑)」

どれぐらいパンやケーキ作りをされてきたんですか?

「先ほども申し上げましたが、もともとはパンをやっていて10年後にケーキを始めたんです」

ケーキを初めてどれぐらいになりますか?

「ケーキを始めてからは20年になりますね」

しかしながら、数あるケーキの種類の中で、なぜロールケーキに注目したんですか?

「素材がいいので、それを一番わかりやすい形でお客様に楽しんでいただきたかったんですね。それであれこれ試してみたら、ロールケーキが一番わかりやすいということがわかったんです。値段も手頃ですので、より多くの方に手にとってもらえると思ったのもロールケーキにした理由です」

なるほど、そんな理由が隠されていたんですね。でも20年間も同じ味を保つっていうのは大変なんじゃないですか?

「そうなんですよ。どの世界もそうだとは思うんですが、目利きがとても難しいんです。同じ卵を使っても、その日の気温や湿度で仕上がりが微妙に違うんです。もちろん、季節の影響も少なからず受けますしね」

すごい世界ですね。谷山さんが毎日、季節や温度や湿度を気にしながら悪戦苦闘していることなんてお客さんは絶対に知りませんよ。ちなみに朝何時から起きてその作業をやってるんですか?

「毎朝3時です」

ひゃ~! このお店、閉店時間は夜の7時ですよね。夜遊びひとつできないじゃないですか! というかお休みはあるんですか?

「休みは正月の3日間だけですね」

ええっ! 家族旅行もできないじゃないですか! 奥さんは何も言いませんか?

「いや、実は妻も一緒に働いていますので」

あ、そうだったんですね。それはいいことですね。

「こんなしんどい仕事に付き合ってくれるのは妻ぐらいですよ(笑)」

夫婦で苦楽を共にして作り続けてきたケーキ。いいですねぇ。後継者については考えてらっしゃるんですか?

「うーん。今の所はちょっと。息子も別の道に行ってしまいましたしねぇ。本人は少し興味があるみたいなんですけど、やはり、しっかり腰を据えて自主的にやろうという強い意志がないと続かないですし、第一目利きができる域に到達しませんね」

まさに伝統芸能の域ですね。最良の素材を使っても、それを扱う人間が未熟だと今の味は引き継げないということですよね。ところで谷山さんは新作などにも取り組んでいるんですか?

「本当は新商品開発なんかもしたいんですが、何しろ手が回らないんです。ちょっと落ち着き始めたかなと思ったりすると、そういう時に限って300本とか大量の注文が入ったりするんです」

それはもう神様からの余計なことはするなという暗示かもしれませんね。しかし、こんな美味しいケーキ、ここでしか買えないのはもったいないと思うんですが、関東圏なんかには出店してないんですか?

「関東には置いてないですね。催事などがあれば出しますけど、なにしろ私がこの場を離れられないんですよ。ここ以外では宮崎空港にも入っていますし、商品によっては通販でお送りすることもできますよ」

http://www.petitchou.jp

まさにこのお店を中心に地道にコツコツ王道に則ったケーキ作りをしているんですね。できそうに見えてなかなかできないことです。

「いやぁ、煌びやかに新作のスィーツを作っているパティシエを見ると時々、羨ましくなることもありますよ。でも私には王道に則ったケーキ作りしかできないんですよ。不器用なんですね。だから良い材料を使ってコツコツ作るしかないんです。毎日、これで嫌われたら仕方ないという気持ちでやってます」

読者の皆さん、いかがでしたでしょうか? 腕が良くて謙虚。話題のロールケーキを作る谷山さんは、まるで高倉健さんみたいなパティシエさんでした。国内でこんなに匠でひたむきな職人さんは、めったにいないんじゃないでしょうか。よく彗星のように現れてマスコミの注目を浴びるパティシエさんがいらっしゃいますが、谷山さんにはそんな一過性のものじゃない力があります。名優・大杉漣さんがこよなく愛した理由がよくわかります。

しかもご夫婦で20年も苦楽を共にしたケーキです。まずはご夫婦で味わってみてください。懐かしい思い出と共に自然な笑顔が溢れるに違いありません。人は映像や本ばかりではなく、味でも笑顔になれるのです。食欲の秋でありながら読書の秋、芸術の秋も満喫できるなんて、これほどの贅沢はありませんよ。

【商品のお取り寄せ&お問い合わせ】

菓子工房プチ・シュー

☎︎ 0986-52-6600

http://www.petitchou.jp

【店舗所在地】

宮崎県北諸県郡三股町稗田55-18