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2018.08.23

【還暦放浪記】ホームレスの疑念

月日が経つのは早いもので、私がホームレス生活を始めてまもなく9カ月になろうとしている。当初はこんなに長くなるなんて思いもしていなかったのだが……。この調子では1年経ってしまうじゃないの。いやはや人生とはままならないものである。

そんな感傷はさておき、先日、厚生労働省は「ホームレスが今年1月時点で全国に4977人確認された」と発表した。昨年2017年より557人減り、2003年に調査を開始してから初めて5000人を下回ったそうだ。

厚労省は、この結果を雇用状況の改善や自治体の支援事業の効果などが背景にあるといっているが、はたしてホントにそうなのだろうか? いささか疑問である。

そもそもこの4977人という、いかにも1人ずつちゃんと時間をかけて数えましたよといわんばかりの数字も眉唾の感じがして仕方がない。何だかウソっぽいのだ。おそらく、これは路上や公園などで寝起きしている正真正銘の、いわばプロのホームレスの人数を集計したものだろう。

しかし、私のようにネットカフェや終夜営業のファミレス、漫画喫茶をねぐらにしているセミプロのホームレスの数を加えれば、4977人などという4桁の数では収まるはずがない。この5倍、いやヘタをすれば10倍くらいはいるのではないだろうか? 実際にそんな生活を送っている私がいうのだから間違いはない。

加えて、厚労省は65歳以上のホームレスの割合が増えていることを指摘しているが、この点は私も大いに納得できる。定宿にしている漫画喫茶やカプセルホテルなどでよく顔を合わせる常連たちはみな間違いなく60歳以上と思われるからだ。

ホームレスに占める高齢者の割合は、今後ますます増えていくことだろう。何しろ少子高齢化の進展で、ベースとなる高齢者そのものの数が増えていくのだから。

そして、2020年の東京オリンピックに向けて、今後、政府はホームレスの一掃に力を入れてくることは間違いない。何しろ今後、海外からの観光客は増えるばかりなのである。そんなインバウンドたちに、東京の街をウロウロするホームレスの姿を見せたくないと思うのは当然だ。だから、「ホームレス狩り」が始まるのは必然なのである。

お下劣・お下品のイメージとは裏腹に、素顔はとってもマジメな常識人である快活60・原田編集長もその辺をひどく心配して、私の顔を見るたびに、

「早くちゃんとした住まいを見つけてくださいよ」

と、そればかりをいうのである。

もしかしたら、私も狩られて、収容所のようなところに入られてしまうのだろうか? まあ、そうなったらなったで、貴重な体験ができるのではないかと思ってはいるのだが……。

記事:快活60還暦ホームレス記者/清水一利