【お願い】酔って便所でヘマをやらかすのはやめましょう
最初から嫌な予感はしていました。私の隣で小便スタイルになったそのオッサンは便器の前でチ●ポを出しながら左右によろけたり。後ろにつんのめったりしていました。
誰が見ても、明らかに泥酔状態です。
なかなかポジショニングが定まらないオッサンは、汚い指でチ●ポの先だけを懸命に便器に向けながら必死の形相でのたうち回っています。
醜いセガレは尿意のためかパンパンに膨れあがり、今にも爆発寸前です。
ようやく、照準が定まったのか、「ヒック、グッヒー」と唸りながら小便をヒリ出し始めました。
「ジョボッ、ツー、ジョボジョボッ、ツー」
相変わらず足元がふらついているオッサンの小便は便器の中で暴れ回っているようです。
おそらく、ジョボッの時は穴に命中し、ツーの時は的を外してしまっているのでしょう。
それでもオッサンは、うつろな目を凝らしながら懸命に自分の小便の行方を追いかけまわしています。
と、次の瞬間。
「おろっ、おろろろろろろっ!」
突然オッサンは奇妙な叫び声をあげながら、私の視界から消えたのです。
「な、なに~~っ!」
あまりの出来事に瞬発的に私は小便をしたまま後ろを振り向いてしまいました。
「おわっち!」
振り向くと、こともあろうにオッサンが亀のようにひっくり返っているではありませんか。
「ヒーーーーッ」
私が思わず悲鳴をあげてしまったのは、ほかでもありません。転がっているオッサンのチ●ポからは噴水のように小便がダダ漏れていたのです。しかも、小便をしながら振り向いた私の尿も少なからずかかってしまいました。
「あわわわわわっ!」
私は一度、便器に向き直り、キンタマを空にしてから再度、オッサンの様子を伺いました。
「ギャオス!」
そこには思わず目を覆いたくなるような信じられない光景が広がっていたのです。
驚くことに小便の海の中にさっきまで横にいたオッサンが転がっていて、その向こうにやはり尻を丸出しにした知らないオッサンがいたのです。
知らないオッサンは、どうやら背後の個室でクソをしていた客のようです。
よくよく見ると、個室の扉がやや破損しています。
「ど、ど、どうして…」
個室のオッサンは、うわずった声をあげながら、助けを求めるように私を見ています。
いったい誰がこんな漫画みたいな状況を解決することができるというのでしょう。
しばらく硬直していた私は、なぜかはわかりませんが、「よしっ!」という言葉を発し、ナニゴトもなかったかのように手を洗って便所を後にしました。
そのあと、同席していた仲間に「店を変えよう」と進言し、逃げるように店を出たのです。
会計の最中に便所から誰かの悲鳴が聞こえましたが、もう知ったこっちゃありません。
そういえば、ここ最近、居酒屋の便所でヘマをやらかしている中高年を見る機会が増えてきました。酔っているからそうなのか、それとも普段からそうなのかはわかりませんが、ある者は小便を撒き散らし、またある者は、どでかいクソをして便器を溢れさせたりと、もうタイヘンです。
そもそも、満足に小便やクソができなくなるほど、外で飲んではいけないと思うのです。
もし、同じことを家でやったらどうなるでしょう。間違いなく古女房に八つ裂きにされます。
これから夏を迎え、どんどん酒席が増えていくと思いますが、シニアの皆さんは自分が思っている以上に酒が弱くなっています。くれぐれも小便がまともにできなくなるほど、泥酔しないようにご注意ください。
文責:編集長原田