【緊急報告】あることが原因で階段から転げ落ちました
先日、生まれて初めて歩道橋から転げ落ちました。
特に急勾配でもなく、滑りやすい状況でもなかったのですが、最後の7段くらいのところで足がもつれ、真っ逆さまに転げ落ちたのです。
なぜ転げ落ちたのか原因は明白です。携帯電話を弄りながら階段を降りていたからです。
うすうす感じていたことではあるのですが、年を重ねるにつれて、同時に二つのことをする「ながら作業」ができなくなってきました。
つい最近も汗を拭きながら鼻クソをほじっていたら、指を深く入れすぎて鼻血を出しました。
その他にも「ながら作業」での失敗は枚挙にいとまがありません。
クソをしながらメールを打っていてケツを拭き忘れたり、地図を見ながら歩いていて生垣に転げ落ちたり、テレビを見ながら飯を食っていて股間に味噌汁をこぼして大やけどをしたりと散々です。
大事な部分を火傷して、ようやくわかったことがあります。自分が思っている以上に体が動かなくなっていたのです。
なにしろ、頭の中では「こうなる」と思って肉体を動かそうとするのですが、どうにもこうにも思う通りになりません。
しかも「ソレ」は、ある日突然、気づかされるのです。
ソレは例えば、今まで変速機付きの自転車に乗っていた人が変速機なしの自転車に乗り換えた感じに似ています。
ずっとベンツに乗っていた人が、軽自動車に乗り換えた感じといったほうがわかりやすいでしょうか。
いやいや、もっとわかりやすい例がありました。
例の赤い彗星の人が「専用」ではなく「量産型」に乗り換えた時と同じ感覚なのです。
ひとつのことさえ思ったようにこなせなくなっているわけですから、同時に二つのことなど、出来るはずもありません。
知り合いの脳医学者は、私に次のような話をしてくれました。
「年配者が同時に二つのことができなくなるのは、単に加齢の問題だけではなく、単調な生活が長く続いたことにも原因があります。
歩く、座る、立つといった単純行動の繰り返しが、気がつかないうちに体の機能を低下させているんです。
これを回避するためには、運動することが一番なんですが時々、後ろ向きに歩いたり、カニのように横に移動したりなど、普段しない動きを心がけるだけでもだいぶ違いますよ」
また、先生によると、同時に二つのことをする「ながら作業」は脳を活性化させるため、中高年にとってはむしろ良いとのことでした。
例えば、人の話を聞きながらメモを取るとか、食事をしながら会話を楽しむなどが、それにあたるそうです。
大事なのは、両方に同時に集中することができるようになることです。
しかし、だからといって、歩きながらスマホをいじるのはマナーが悪い上に危険が伴うのでやめておきましょう。
文責:編集長原田