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2018.05.23

【還暦放浪記】ホームレスの危険な交渉編

彼女を探して3日目の夜になった。

この日もこれまでと同じように日付が変わる少し前に問題の池袋のネットカフェに行った。今晩は夕方から雨が降っていて外は少しばかり肌寒い。そんなこともあってか、私には今晩こそ彼女と出会えるのではないか、そんな気がして仕方がなかった。

入店の手続きをしてからさっそく喫煙スペースを覗いてみた。

すると、そこに彼女がいた。今日は前回会った時とは異なり髪をアップにしていたが、間違いなくあの彼女である。

「今晩は。この間、声をかけてくれたよね、覚えてる?」

こう私が切り出し、彼女との会話が始まった。以下はそのやり取りである。

「うん、覚えてるよ。私がせっかく誘ってあげたのに断った人。今日もまたホテトルで遊んできたの?」

「いや、遊んでないよ。今日は満タン」

「そうなんだ。じゃあ、しっかり出さなきゃ寝られないね」

「うん、だからお姉さんに相手してもらえないかなと思ってここに来てみたんだけど、どうかな、今日なら1万円出すよ」

「悪いけど、私はいつもここでお金もらってというわけじゃないの。たまたまあの日は手持ちのお金がなくて、あなたに仕方なく声をかけたけど、そんなことは3カ月に1回あるかないか。今日は多少の余裕があるからやらないわ。それに病気も怖いもん」

「そうか、それは残念だな。お姉さんにお願いしようと思ってせっかく来たのに。絶対にダメ?」

「ゴメンね。今日はそのつもりはないから。それに私、こう見えてもセックスはあまり好きじゃないのよ。もしやりたいなら、この近所に35歳の友だちがいるから呼ぼうか。すぐ来るよ。彼女なら1万円で最後まで相手をしてくれると思うけど」

「どんな人?」

「おっぱいの大きな、ナイスバディの色っぽい子よ」

「ナイスバディってまさかデブじゃないよね? デブは苦手なんだ」

「ははは、当たり。そうともいうわね。性格は明るくってものすごくいい子よ。でも、もし彼女とやるならちゃんとゴムしてね。病気がヤバいから」

話はここで終わった。

いかにもすでに病気にかかっていそうな彼女が、自分のことを棚に上げて病気の心配をするような女性には、さすがの私もちょっと手を出せない。

というわけで、私の目論見は未遂に終わってしまったのであった。

それにしても、できないとなるとかえってやりたくなるのが男というもの。その夜、私が悶々としてしまったのはいうまでもない。

記事/快活60還暦ホームレス記者:清水