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2018.05.14

【男の謝罪】罪の重さに見合うもの

先日、久しぶりにヘマをしたので、取引先に謝罪に行くことになりました。

そこでさっそく、とらや羊羹を大量に買って先方にお伺いしたのです。

私「この度は私の落ち度でご迷惑をおかけして申し訳ございません。

こちらは、つまらないものですが、お詫びのシルシです。受け取ってください」

ご担当者様「いやいや、そんな、お気をつかわなくても。あれ? え…っと、これは…羊羹ですか?」

「羊羹ですね」

ご担当者様「そうですか…。うぉっ、と。ずいぶん重いですね。中身は全部、羊羹なんですか?」

「全部、羊羹です」

先方の若いご担当者様は、謝罪に来たみすぼらしい中年男が持ってきた珍妙な「お詫びのシルシ」に、いささか戸惑っているようです。

彼は、こう思っていたに違いありません。

(ナゼ、羊羹? しかもこんなに?)

そこに、ご担当者様の上司の方がやってきました。

上司の方は、私と同じくらいの年齢です。

上司の方「いやはや、申し訳ないですな。わざわざ来ていただいて。おおっと! こりゃ、とらやの羊羹じゃないですか。しかもこんなに重いものを。でも、ここまでのミスじゃないですよ。かえって申し訳ない」

「いやはやなんとも。私からすれば、これでも足りないくらいです」

上司の方「いやはや。お気持ち、しかと受け止めました。もう今回の件は水に流しましょう」

若いご担当者の方は、この年配者同士の奇妙な会話にますます混乱しているようです。

そうです。ご担当者様は若さゆえに知らないのです。

羊羹の重さが罪の重さと謝罪の重さを表しているということを。

古来より、業界ではヘマをしたら、謝罪する相手先に罪の重さと同じくらい重さの羊羹を持っていくことが相場として決まっております。

謝罪する側は、ずっしりと重い羊羹を汗だくになりながら持参します。

謝罪される側は、その重さで相手の謝罪の真意を知るのです。

そんな古き良き謝罪の文化も、時代とともに次第に廃れようとしています。

ヘマと羊羹を結びつけるのは、とらやさんには迷惑かもしれませんが、またひとつ美しい日本の文化が失われていくことに少し寂しさを感じる今日この頃でした。

文責:編集長原田

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