街角ニュース ほぼ毎日更新!街角のニュースをお届け

2018.05.05

【還暦放浪記】ホームレスのゴールデンウィーク

世の中的には28日からゴールデンウィークに突入している。テレビのニュースを見ても「1日、2日を休めば9連休になる」とか「成田ではゴールデンウィークを海外で楽しもうという人たちの出国ラッシュが始まった」、あるいは「高速道路は行楽地に向かう車で渋滞している」とか楽しそうな話題でやたらに盛り上がっている。

しかし、ホームレスの私にはゴールデンウィークなど全く関係ない。普段と何ら変わらない殺伐とした毎日があるのみ

私は今、いつものように都立中央図書館にいる。何しろここは入場料がかからない。全くのタダだ。ゴールデンウィークとはいえ、例によって懐の寂しい私には悲しいかな、ここしか行くところはないである。そして、朝10時の開館とともに入館し、パソコンでボートレースをやっている。1点100円のマメ買いをしながらちまちまと小遣い稼ぎに勤しんでいるのだ。

でも、いつもは面白くて仕方がないボートレースも、今日は一向に楽しくないのだ。

私がいる都立中央図書館は有栖川公園の中にある。都心のど真ん中にある緑豊かな大きな公園だ。今日は天気がいいこともあってか、家族連れがたくさんやって来て思い思いに楽しんでいる。芝生でお弁当を広げている家族もいれば、ボール投げをやったり、自転車に乗る練習をしている親子もいる。そこにあるのは明るい笑い声と満面の笑顔だ。そんなアットホームで幸せそうな姿を見ていると、今現在の自分の境遇がみじめに思えて切なさを感じてしまう

以前、放浪が始まった直後に年末年始がめぐってきて、私は、こんなことを書いた。

「筆者にとって1年で最も憂鬱で、心穏やかではいられない期間である年末年始が終わった。これで少なくとも1年間はイライラしないで済む。クリスマスに始まって大晦日から元旦の年越し、正月と、この時期にはどうしたって『家族』『家庭』を意識しなくてはならない機会が多い。そのことが一家団欒とは縁がない筆者をやたらに苛立たせるのだ」

このとき「1年で最も憂鬱で、心穏やかではいられない時期」と書いたが、すっかり忘れていた。もう1つ、ゴールデンウィークがあったのだ。

どこに行っても「家庭」「家族」を意識しなくてはならないことが多いのは年末年始と同様だ。私には、このホームドラマのような甘ったるいアットホーム感がたまらなくイヤなのである

と、ここまで書いてきて、ふと思った。

こんなことをいっていながら、本当は自分こそ誰よりも温かい家庭に憧れているのではないかと。単に素直になれないひねくれ者なのではないのかと。

それでなくても憂鬱なこの時期、快晴の天気とは裏腹に、落ち込むばかりの私なのである。

記事/快活60還暦ホームレス記者:清水一利

前の記事 【お悩み解消】シニアのための物忘れ予防対策