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2018.04.18

【還暦放浪記】ホームレス体の異変

ある朝、目覚めた私はカラダに異変を感じた。カラダのそこかしこがやたらに痒いのである。

慌ててシャツを脱いだ私は、思わずアッと声を上げた。胸や腹、腕の内側など皮膚の薄いところを中心に赤い斑点のようなものがたくさんできている。

何だ、これは? 一瞬にして血の気が引いた私は、誰かに悪い病気を移されたかと思った。

しかし、よくよく考えてみると、ここ数カ月は誰ともセックスをしていないし、風俗で遊んでもいない。だから、その可能性は全く考えられない。

とすると、ネットカフェか漫画喫茶、あるいはホステルでダニに食われたか。その線はかなり高いと考えて間違いないだろう。

いずれにしても痒さは尋常ではない。カラダを掻きむしっているうちに赤く腫れ出したところがあったり、中には血をにじませているところも見られるようになった。

ともあれ、これは一刻も早く病院に行かなくてはならない。私はその日、平和島でボートレースを楽しもうと思っていたのが、こうなるとそれどころではない。もしかすると深刻な病気の予兆かもしれないではないか。

私は目黒駅近くにある個人病に行った。初めて訪れる病院だ。近くには何度か行ったことのある大きな大学病院があるのだが、予約なしの飛び込みで行くと相当待たされることだろう。だから、取りあえず小さな病院で診てもらおうと思ったのだ。

出てきた先生は70歳を超えていると思える老医師だった。どことなくパパパヤーの左卜全に似ている。

(大丈夫かな?)

一瞬失礼なことを考えてしまったが、こうなったら信頼するしかない。

卜全先生は私のカラダを診るなり、

「ちゃんとメシ食ってるか?」

と聞いた。何のことやら私が返答に困っていると、さらに卜全先生は、

「あんた、こりゃ栄養不足だ」

という。

たしかにホームレスになってからというもの、私の食事パターンは吉野家→マック→はなまるうどんが基本である。この3つの店をぐるぐる回っているのだ。そのことを卜全先生に説明すると、

「そんなことをしていたら当然こうなるさ。とにかく野菜が足らん。もっと野菜を食わなきゃダメだ

と怒られてしまった。

飽食の時代といわれる今の日本で栄養不足と診断されるとは情けない。私が落ち込んでいると、卜全先生は私を元気づけようとしたのか、こんなことをいった。

「極端に偏食の人とかダイエット中の人とか栄養不足になる人は意外と多いんだよ。あと、毎晩のようにお酒を飲む人で飲み出すとつまみをほとんど食べない人がいるだろう? そういう人も危ない。とにかく、あんた、食事は3食バランスよく栄養を考えて食べることだ。そうすりゃこんなことにはならん」

栄養不足とはいささかびっくりしたが、それでも死につながるような重篤な病ではなかったことにひとまず安堵した私なのであった。

記事/快活60還暦ホームレス記者:清水一利

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