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2018.04.11

【還暦放浪記】まさかの出来事

24時間営業の店が少なくなった今、マックはいまだに24時間やっているところが多く、われわれホームレスにとっては貴重な「簡易宿泊所」と化している

何しろコーヒー1杯100円で横にはなれないまでも、席でうつらうつらしながら朝まで粘れるし、携帯電話やパソコンの充電もできるのだ。私も週に一、二度利用させてもらっているが、懐具合が淋しい時にはひじょうに助かる。ありがたい存在だ

おそらく私と同じ目的で朝を待っているのだろう。行くたびに必ず見かける「ご同輩」も何人かいる。

直接言葉を交わしたことはないが、先方も私のことを自分と同じように見ているのか、(こいつ、また来たな)とでもいいたげな顔で、私を見つめている。

そして、私も同じことを考えながら、彼らのことを見る。決して仲良くなろうとは思わないが(向こうも同じ思いだろう)、自分のことは棚に上げて(どういう事情があるのかは分からないけど、この人も大変だなあ)などと同情してしまうのである。

ところで最近、私が愛用(!?)している某マックで異変が起きた。

その店舗はビルの1階から3階にあり、われわれ夜明かし組は、ほとんどが2階の隅にかたまっているのだが、午前2時をすぎると、いきなりその辺りの冷房が明らかにきつくなるのである。その強さたるやまだ夏前のこの時期には考えられないくらい強力で、シャツ1枚ではいられないほど寒くなる。強烈な寒さだ

そして冷房がきつくなると同時に、夜明かし組と分かる人間に、女性の店員さんが声をかけてくる。

もちろんマックだって客商売だから、さすがに「帰ってくれ」とはいわない。その代わり微笑みながら実に優しい声で、

「お水でもお持ちしましょうか?」

というのである。当然、私のところにも来た。

そんなことをいわれると、さすがの私もコーヒー1杯で何時間も粘っていることに気が引けて、実に居心地が悪くなるのだ。

冷房といい、女性店員の声かけといい、今までそんなことはなかったのに、これはいったい何なのだろうと考えるまでもなく、私はすぐに悟った。

これは何とかして夜明かし組を排除しようというマック側の「無言の追い出し作戦」なのではないのか?

「アナタたちのことは、ちゃんと見ていますよ」というメッセージを、それとなく発信しているのではないのか?

私もそうなのだが、夜明かし組の面々は例外なく大きなバッグをいくつも持ち、見るからに怪しい格好だ。そんな人間が何人も店内にいては、店の雰囲気が悪くなる。だから、何とかして出ていってもらいたい。そう思っての行動に違いないのである。

こう思うのは私だけだろうか。

記事/快活60還暦ホームレス記者:清水一利

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