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2018.03.27

【還暦放浪記】ネットカフェ難民編

改めていうまでもないことだが、ホームレスはその名の通り、決まった家がない。住所不定である。

だから、「足の向くまま気の向くまま。行く先?それは風に聞いてくれ」とニヒルにいえば、何となく中村敦夫演じる木枯し紋次郎のようで格好はいいが、実のところ、はたして明日はどこにいるのか自分でも分からないという、何とも不安定な状態にあるのだ。

先日、インターネットでニュースを見ていたら、決まった家がないネットカフェ難民が都内には1日約4000人いるのだという。誰がどうやって数えたのかは分からないが、私もこの中に入っているのだろうか?

ネットカフェ難民という言葉が生れたのは今から10年ほど前である。その頃は仕事を失い、収入が途絶えて家賃が払えず、やむを得ずネットカフェで生活をしているという人がほとんどだった。

ところが、今は9割以上の人が仕事を持ち、しかもその半分がフルタイムで働いているのだそうだ。中には月収30万円、40万円という高給取りもいて、ネットカフェで暮らさなくても十分やっていけると思われる人が少なからずいるのが最近の特徴のようだ。

では、そんな人がどうしてネットカフェ難民をやっているのかといえば、

「そもそも家というもの自体に興味がない。家がなくても、ここなら十分快適に暮らしていけるから」

という人もいれば、

「現場がその日その日で転々とする建築関係の仕事をしているので、どこか決まったところに住むより、仕事に合わせて移動できるこっちのほうがいい」

「家を探すのが面倒くさいし、忙しくてそんな時間もない」

という人もいて、まさに人それぞれだ。

曲がりなりにも私もネットカフェ難民の端くれとして、そうした皆さんの意見には賛同できることも多いのだが、ホームレス生活を送っていると、まずモノに対する執着が全くなくなってくる。

そもそも何かモノを買っても置いておく場所がないのだから物理的にも不可能なのだが、それ以上に「これが欲しい」「あれを手に入れたい」という欲求が薄れてくるのである。だから、買い物をするにしても必要最小限のもの、下着やタオル、靴下など消耗品しか買わなくなるのだ。

身辺が身軽になれば、いつでもどこでも自由に行くことができる。家だって要らない。

おそらくこうやって誰もがネットカフェ難民から抜け出そうとはしなくなるのかもしれない。そして私も、このまま今の生活を続けていくことになるのだろうか?

記事/快活60ホームレス記者

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