【働き方改革】ハゲハラを決して許してはいけません
暖かい日が続きますね。風の中にも春の匂いがしてきました。早いところはもう桜も咲いているようです。
生命が芽生えるこの季節は旬を過ぎた我々中高年でさえ、股間を中心に何やらムラムラしてきます。
桜といえば来月はもう4月。昨年に採用した新入社員が入社してからもう1年が経つんですね。早いものです。
毎年のことなんですが、会社に新人が入ってくると、私と何人かのベテラン社員に対するちょっとした「嫌がらせ」が起きたりします。
それが「ハゲハラ」です。
読んで字のごとくハゲや薄らハゲ、もしくは私のように絶えずハゲ散らかったヘアスタイルをしている者に対する許しがたいハラスメント事案が発生するのです。
例えば、スキンヘッドのS君の場合はこうです。
ちなみにS君の部署にはS君の他にAさんという磯野波平カットの大先輩がいます。
ある日のことでした。
別の部署の新入社員がS君のいるフロアに来て不安そうな顔をしながらキョロキョロしています。
誰かを探しているようです。
しばらくフロアを眺め回していた新人クン、S君を見つけると、急にパァーっと顔が明るくなりました。
どうやら新人クンは、S君を探していたようです。
新人クンは、にこやかな表情でS君に近付いて行きます。
そしてこう言い放ったのです。
「Aさんですね。書類をお持ちしました!」
この光景を見ていた私は思わず脱糞しそうになってしまいました。
なぜなら、新人クンが取り返しのつかないミスを犯したからです。
そうです。人違いならぬ「ハゲ違い」をしたのです。
そのハゲはA先輩ではありません。S君です。
S君はゆっくりと荷物を受け取ると、新人クンにこう訪ねました。
「どうもありがとね。ところでこの書類は誰から頼まれたんだい?」
「はい! K部長です!」
お礼を言われて嬉しくなった新人クンは、大きな声で送り主の名前を発表し、その場を後にしました。
実は新人クンは何も悪くはありません。もっとも悪いのは部長のKです。
おそらくKと新人クンとの間に、こんな会話が交わされたに違いないのです。
K:「おい新人、この書類をAさんのところに持っていけ」
新人クン:「はい! かしこまりました部長! ところでAさんでどんな方ですか?」
K:「あ? ハゲだよハゲっ! 行きゃわかるから。とにかくあの部署に行ってハゲに書類渡してこい!」
Kにこう命令された新人クンはハゲを探しに行き、ハゲを見つけて、ハゲに書類を渡したわけです。
ただし、ハゲ違いでしたが。
4月。新入社員がまっしぐらにハゲに向かっていく光景を毎年見ます。
もちろん、私も例外ではありません。
文責:編集長原田