【娯楽特集】雑誌グラビアが2倍くらい楽しくなる方法
フィギュアスケートの羽生くんが平昌オリンピックで金メダルを獲ったり、将棋の藤井くんが棋戦に優勝して六段に昇格したりと、何かと若い人たちの活躍がニュースで報じられる中、元CoCoの宮前真樹さんと写真家の萩庭桂太さんが結婚したというニュースを見つけました。
宮前さん45歳、萩庭さん52歳。
毎回、報じてはいますが、男性も女性も四十を越えての結婚は、どこか微笑ましいものがあります。
実は、萩庭桂太さんには、一度、仕事現場でお会いしたことがあります。
もちろんそれは私がやっていた「エロ」の撮影ではなく、別の女性誌の表紙撮影の現場でした。
確か、被写体は鈴木杏樹さんだったと思います。
当時の私が受けた萩庭さんの印象は、とにかく凄いカメラマン。
何が凄いかというと、彼の撮った写真は「被写体のすべての部位にピンが合っていたから」です。
プロカメラマンなら、それぐらい当たり前だろ。
こう思う方もいるかもしれません。
しかし、「すべて部位」にピンを合わせることは、なかなか難しいのです。
例えば被写体の顔をアップで撮ったとしましょう。
仮に「鼻」にピンを合わせて撮影した場合、目や耳はわずかではありますが、ピンが甘くなります。
これは人間の顔に凹凸がある以上、「仕方のないこと」なのですが、萩庭さんはフィルムの時代に「そのすべて」にピンを合わせてきたのです。
読者からすれば、些細なことかもしれませんが、これは「神業」としか言いようがありません。
実は、ヌードグラビアの世界でも同じようなカメラマンを一人知っています。
現在、週刊大衆の表紙グラビアを撮影している西田幸樹さんです。
週刊大衆の場合、被写体はバストアップなので、目や顔の凹凸の他に「巨乳」という厄介な突起物があります。
なんと、西田さんは巨乳も含めてすべての部位にピンを合わせてくるのです。
どうやって撮っているのか、未だに私もわかりません。
確かなのは、ソレが神の領域だということだけです。
しかし、私が若かりし頃のの週刊大衆では、そのような神々たちを冒涜するようなグラビアばかり展開していました。
なぜなら「大股開き至上主義」だったからです。
当時の週刊大衆グラビア部隊は、たとえどんな有名女優が来ようとも、どんな名カメラマンに撮影をお願いしようとも、股を大きく開かせ「股間」だけにピンを合わせるように指示を出していたのです。
そして、それはとんでもない悲劇を生み出しました。
なぜなら、どんなに股間にピンを合わせても、丸出しのソコには校了時にモザイクやボカシが入るからです。
さらに悪いことに週刊大衆グラビア部隊は「大股開き」に加え、女優さんに「薄ら笑い」を強要していました。
当時のデスクが言うには、「大股開きで微笑んでいる女は、読者に許しを与え、覆いかぶさりたくなるような衝動を引き起こす」というものでしたが、私からすれば、股をひらげて薄ら笑いをしているただの様子のおかしいオンナにしか見えませんでした。
ともあれ、当時の週刊大衆のグラビアは股間以外にピンがほとんど合っていないオンナが、これまた薄ぼんやりした不気味な笑いを浮かべているものがほとんどだったのです。
それでも、当時は「大股開き」が読者には絶大な人気を誇っていました。
大股開き人気にあやかろうと他誌も参入し、世のグラビアは「大股開き戦国時代」を迎えたのです。
醜い戦いは、どんどんエスカレートしていきました。
もはや「大股開きにあらずはグラビアにあらず」とまで言われるようになります。
そしてついに週刊大衆グラビア部隊は他誌を突き放すために最終手段に打って出ました。
「大開脚」です。
股を180度開ける女性のヌードを発表したのです。
つまり、開く「角度」で勝負したのです。
効果は絶大でした。
発売日になると変態紳士が我先にと朝から書店やコンビニに群がったほどです。
大開脚により、週刊大衆の勝利は、もはや疑う余地もありませんでした。
しかしここで、大事件が起きます。
奢れるものも久しからずとでも言いましょうか。あまりにワイセツが過ぎたために「お上」からお叱りを受けたのです。
結局、この事件を気に「女性に股を開かせるグラビア」は一気に終息していくわけです。
現在、雑誌のグラビアは被写体の「美しさ」や「表現力」による妖艶さをアピールするものになりました。
カメラマンの技術も、より高度なものになっています。
しかし、当時の「大股開き時代」が残っているページもあります。
それが「袋とじ」です。
もし、今は「週刊大衆」を買っていないという方がいらっしゃいましたら、騙されたと思って、もう一度購入してみてください。
そこには新旧のグラビアの変遷が見て取れるはずです。
週刊大衆は毎週月曜日発売です。
文責:編集長原田
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