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2018.02.08

【還暦放浪記】ホームレス仲間編

図書館やネットカフェ、あるいはマックなど毎日同じようなところで仕事をしたり、時間を潰したりしていると、いつの間にか顔なじみができてくる。

おそらく私と同じような生活をしている人なのだろうが、相手もきっと私のことをそう思って親近感を覚えるのか、ちょくちょく話しかけられたりする。

都立中央図書館でよく会うAさんは私と同じ昭和30年生まれの62歳だった。

ただ、私がいうのも何だが、それよりもずっと老けて見えた。だから、年齢を知った時はびっくりしたものだ。

Aさんはもともと大手建設会社のサラリーマンだったという。55歳になった時リストラされ、子会社に異動させられたが、どうしてもそこに馴染めず2年で退職

ちょうどその頃、奥さんと熟年離婚し、それ以来、派遣社員として工事現場で働いていたものの、腰を痛めて仕事ができなくなり現在は無職だ。これまでの貯えを切り崩しながら生活しているのだそうだ。

「若い頃から飲む・打つ・買うのやりたい放題だったからね。家族にもずいぶん苦労をかけた。

だから、カミさんと離婚する時、せめてもの罪滅ぼしと思って家を渡したんだ。

今は風呂なし、トイレ共同の築50年のぼろアパート暮らし。家にいると気が滅入るんで、朝早くから夜遅くまで外にいるよ。家には寝にかえるだけだな。まあ、寝るところがあるだけでもまだましかな。今の生活に特に不満はないけど、一人娘に孫がいてさ、その孫に会えないのが寂しいなあ」

取りあえずは腰を直し、仕事に復帰することが現在のAさんの目標である。

一方、週に2、3回利用する目黒のネットカフェで必ず顔を合わせるのが、若い頃の松方弘樹を彷彿させるイケメンのBさんだ。今年45歳と私よりも15歳以上若いBさんがこのネットカフェで寝泊まりするようになってまもなく半年になるという。

「これでも私、3年くらいまで池袋で店をやっていたんです。女の子がいてカラオケができるスナックみたいな店ですよ。店は結構繁盛していたんだけど、僕はギャンブルが好きで裏カジノの店に結構な額の借金を作っちゃったんです。

それで店を取られ、まだ足りなくて追い込みをかけられたんで、こうやって逃げているんですよ。ここもそろそろヤバそうなんで、来月になったら別の所に行こうかなと思っているんですよ。

これから先のことは考えないようにしています。まあ、何とかなるでしょう」

こういう生活をしていると、人恋しくなるのだろう。図書館のトイレで「よくお会いしますね」と声をかけてきたのがAさんだったし、Bさんとは、たまたまその日、喫煙可の部屋が満室で禁煙の部屋にいた私が喫煙所でタバコを吸っていたら「すいません、タバコを切らしちゃって。一本もらえませんか」といってきて、それがきっかけで言葉を交わすようになった。

以来、2人とも私の顔を見ると嬉しそうに寄ってきて何やかんやと話しかけてくるのだ。

それにしても、AさんもBさんも私など足元にも及ばない、過酷で孤独な毎日を送っている。人生なんて上を見たらきりがないが、下を見ても同じだ。

2人に比べたら自分はまだマシだと安心している場合ではないのである。

記事/快活60還暦記者:清水一利

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