【警鐘】下りエスカレーターで絶対にしてはならないこと
本当は皆さんに女人にまつわる別のことをご報告するつもりでしたが、本日、とんでもない事件に巻き込まれてしまいましたので、警鐘を鳴らす意味合いも含め、予定を変更してお送りしたいと思います。
事件は東京都営地下鉄「大江戸線」のホーム向かう下りエスカレーターで発生しました。
ちなみに大江戸線は都内を走る地下鉄の中で最も新しい路線です。それゆえ車両も駅も最新の設備が整っていますが、唯一の難点は改札からホームまでが異常に遠いことです。
実際、大江戸線のほとんどの駅が改札から、かなり深いところまで潜っていかないとホームに辿り着けない構造になっています。
一度、朝の通勤中に猛烈な便意を催しましたので、途中下車して、改札横のトイレに突撃しましたが、あまりの遠さに間に合いませんでした。
それほど遠いのです。
潜る時間が長いということはエスカレーターも長いということです。
黙って流れに任せて乗っていると、ホームまで結構、時間がかかるので、乗客は皆、歩いてエスカレーターを下ります。
そうなると、歩かずにエスカレーターに乗っている客は、必然的に体力のない者や、疲れている者ということになります。
今朝の私は疲れていました。もっと正確にいえば、月曜日の朝はいつも憂鬱で、倦怠感を感じるのです。
ゆえに、長い長い下りエスカレーターにぐったりと身を委ねていたわけです。
東京ではエスカレーターの右側は、歩いて下る人のために開けてあります。
私の横を足早に人が通り過ぎて行きます。
その流れをぼーっとしながら眺めていたところ、サラリーマン風の見るからに不潔で、太ったオッさんが妙な音を立てたがらエスカレーターを下って行きました。
ぷっ、ぴっ、ぷっ、ぴっ
最初は靴の音でもしているのかと思っていましたが、男が通りすぎた後、事態は急変しました。
「うっ!」
「おわっち!」
「ぐえ~っ!」
背後から次々と人々が悶絶する声が、聞こえてきます。
何かとてつもない事態が背後の人々に起こったようです。
そして、ソレは私の身にも降りかかってまいりました。
「お、おえーーっ!」
突然、強烈な悪臭が私に襲いかかったのです。
それは、今まで嗅いだこともないほど臭い屁でした。
この鼻がもげるようなニオイの発生源は妙な音をさせながら階段を下っていったあのオッさんだと考えて、十中八九間違いありません。
薄れゆく意識の中で、階下を見ると、オッさんは屁をこき続けながら悠々とホームに向かっています。
オッさんが通り過ぎた後には、絶命の声を上げながら、悶絶する人々が死屍累々と繋がっていました。
しかも、悪臭事件は、上に逃げることが許されない下りエスカレーターの乗客たちを、さらなる地獄に叩き落としたのです。
そうです。オッさんの後ろにいる限り、毒ガスから逃れることができないのです。
乗客たちは強制的に悪臭のどん底に呑み込まれていきます。
「うげげげげーー」
乗客たちは、首筋を掻き毟りながら、悲鳴にもならない声を絞り出しています。
さらに悪いことに、悪臭は、薄まるどころか、下に行けば行くほど強まっていきます。
しかも、上からもオッさんの空気よりも重い屁がエスカレーターと共に追いかけてきます。
阿鼻叫喚。そこは地獄そのものでした。
命からがらホームに辿りついた時、オッさんの姿はありませんでした。
皆さん、エスカレーターの下り(上りも)では絶対に屁をしてはいけません。
文責:編集長原田