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2018.01.05

【週末特集】銭湯でお馴染み「ケロリン桶」の秘密

銭湯に行くと見かける黄色いプラスチック製の桶をご存じだろうか?

これぞ銭湯とは切っても切れない関係にある「ケロリン桶」だ。

「ケロリン」とは富山市の内外薬品が製造・販売している非ピリン系の鎮痛剤。

今でも普通に売られているロングセラーの医薬品だ。

頭痛や生理痛に効果があり、飲むとすぐけろりと治ってしまうところからケロリンと名付けられた(と思う。たぶんそんなところだろう)

このケロリン桶、子供がいくら蹴飛ばそうと、大人が椅子の代わりに腰かけようと全くビクともしない頑丈さから「永久桶」とも呼ばれている。

また、桶そのものの強さもさることながら、桶の表面に描かれた「ケロリン」の文字がいつまで経っても薄れたり、消えたりすることがないという強さもケロリン桶の特徴だ。

それはインクを桶の表面ではなく、樹脂そのものの内部に埋め込む「キクプリント」という特殊な印刷技術を使っているからで、そのため表面を触っても印刷の凸凹がなく、ツルツルしている。

また、ケロリン桶には関東サイズと関西サイズがある。関東は直径が225ミリ、関西は210ミリ、高さも関東115ミリに対して関西100ミリと関東の方が一回り大きいイメージだ。したがって、重さも関東の方が100グラムほど重くなっている(関東360グラム・関西260グラム)。

両者の違いは、関西には湯船の湯でかけ湯をする習慣があり、関東サイズの桶では湯が入りすぎて重くなるため小さくしたという説があるが、はたして本当なのかどうかは定かではない。

さて、いよいよ話は核心に迫る。それは、どうして、銭湯にこのケロリン桶が置かれるようになったのかということである。

話は昭和30年代にさかのぼる。当時、内外薬品では主力商品だったケロリンをはじめとした製品を家庭用置き薬品として販売、好調な売れ行きを示していたが、全国の人にケロリンをもっと知ってもらいたいと薬局や薬店にも販路を広げることを画策していた。

そんな時、昭和38年になって睦和商事という会社から「銭湯の桶にケロリンの広告を出さないか」という提案があった。それがきっかけになった。

当時、庶民の生活に銭湯は欠かせない場所であり、桶に製品名を入れれば多くの人の目に触れることが期待できたこと、衛生上の問題から銭湯の桶が木からプラスチックに切り替えられようとしていた時期だったことなどもあって、内外薬品は提案を受諾。東京駅八重洲口の東京温泉に置いたのが最初だったという。

すると、これがことのほか好評で次第に全国の銭湯に広がってこれまで約300万個が置かれ、現在でも年4~5万個が納入されているそうだ。(なお、昭和38年以来、桶の販売を扱ってきた睦和商事は銭湯の減少もあって業績が悪化し数年前に経営破綻、現在は内外薬品自らが事業を引き継いでいる)

ちなみにケロリン桶は東急ハンズなどでも1個1404円で売っている。1個あれば自宅で銭湯気分が味わえること間違いなしだ。

取材/快活60還暦記者:清水一利

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