佐々木正洋のいまさら聞けない一般常識 ベテランアナがやさしく解説

2020.03.26

第87回「新型コロナウィルスに罹った(後編)」

前回37.7℃の熱が出たところまで話しましたね。こうなると今の世の中、「スワっ、コロナウィルスか!」となっちゃいますよね。おまけに胃も痛いんです。胃のレントゲンを撮るのにバリウム検査ってありますよね。あのときに機械に磔のようにされて、バリウムを飲んだおかげで膨満感に襲われている胃をこぶしのようなものでグウッと押すじゃないですか、まさにあの時と同じような膨満感のある胃を押さえつけられたような痛みが10日の朝からありました。

熱はあるは、歯は痛いは、胃の痛みはあるは、で、もうボロボロ。この日朝から殆ど何も食べていないのに食欲もなく、痛み止めと抗生物質を飲んで、崩れ落ちるように寝込んじゃいました。

翌日かかりつけの女医さんのところに行きました。カミさんが電話で予約をしてくれたのですが、12時までしかない診療時間の最後12時に来てください、ということでした。熱があると言うと急に最後の診療時間ということになったようです。僕としてもその方が良かったんですが。その時点で、まさかと思いながらもひょっとして“コロナ”と思っていましたから。熱も下がったとはいえ36.8℃~37.2℃辺りをいったりきたり。お腹の膨満感も癒えず、病院に向かったのでした。

そして診察を終えた女医さんが「少し安心しました」と言うのです。その理由は風邪症状が全くない事でした。喉の腫れもなく咳も出ていない。熱だけ出ている、ということで無症状の“コロナ”という訳でもない、という見立てでした。おそらく歯槽膿漏が悪化してグラグラしている歯の隙間から菌が入り膿んで、熱を持ったものだということになりました。お腹の痛みについては、はっきりとした原因が分かりませんでした。13日から大学時代の友人3人と1泊2日で東北に行く楽しみもパアになっちゃって、友人には直前キャンセルを平謝りでした。僕自身とても楽しみにしていましたから、残念で仕方がなかったですが、もしも、もしも“コロナ”であればとんでもないことになりますから、直前キャンセルも仕方のない事でした。もう後は静養しておくしかないんですね。カミさんとは自宅内別居。自宅内でマスクをして食事も自分の部屋で食べる羽目に。『違うのになあ・・・』と思いながらも、絶対違うとは言い切れないですからね。

熱は3日間出たり下がったり、4日目にようやく35.8℃から36.6℃くらいまでしか体温が上がらなくなり11日の血液検査の結果では最悪の数値だったんですが(白血球数基準値3500~9700というのが10510、CRPという炎症反応基準値0.3以下というのが9.28)、16日には基準値内に収まりました。やっと気分的にも落ち着きました。お多福のように腫れあがっていた頬も腫れが引きました。この腫れが引いたというのも僕の中では大きいことでした。どうしてって言えば、悪いこともしていないのに腫れたままだとテレビの仕事は失業しちゃうからなんですね。それでも胃の筋肉痛のような痛みは残っていましたが、多分胃潰瘍になったのではないかと思います。母といるときに古くなった、牛乳やブリ大根があったのでもったいないとそれらを食べた後でした。女医さんから「古いものは食べないように!」とあらためて当たり前の注意を受けたのをなぜかよく覚えています。新型コロナによる感染症でも致死率が高い方の年齢層ですからね。そう言えば、もう発症してから10日余り経つのにわずかに胃の痛みの残りが感じられます。よっぽど激しい胃潰瘍だったのだと思います。食べたあと少し気持ちも悪くなっていましたがそれはさすがになくなりました。ストレスからも胃潰瘍になるということですが、2,3か月に一回母の顔を見に帰省するだけなのに、もしそれがストレスに繋がっていたとしたら、それは情けない話です。兄は一日おきに母のところに行っている訳ですから。

まぁ、こうしてどうやらこうやら、コロナ騒動は僕の中では収まったようですが、今回ばかりは他人ごとではありませんでした。そうやって真面目に自分の症状と向き合うとあれだけ連日新型コロナだ、肺炎だ、パンデミックだ、致死率だ、と騒いでいる割には、具体的な症状がわからないんですね。咳が出るという場合、どういう咳か? 痰は出るのか?(これは少しテレビでやっていました)。熱だけ出て他は無症状というケースもあるのか? 熱も37.5℃以上が4日間というけれど3日間だとどうなのか? お腹が痛くなるのか? とにかく細かい症状についてはよくわからないんですね。結局、深刻に語るテレビでもヤジウマ根性半分なんですね。足を痛めた時に、街中や駅にバリアフリーの設備がいかに整っていないかを痛感したことがあるのですが、政治家やテレビ番組でどれだけ心配しているように見えても、マスを相手にしているものには限界があります。

しかし、そこが取っ払われない限り弱者に優しい国のありようなどというものは絵に描いた餅…、ですね。加えて言うならばこういう事態に陥ると弱者には、政府の本音がようく透けて見えてきます、ね。

    佐々木 正洋
    佐々木 正洋
    1977年アナウンサーとしてテレビ朝日入社。16年間担当「夕刊キャッチアップ」の最高視聴率16%は今だ破られず。また、2002年出版の「ちょっとしたコツで誰でも『上手な話し方』が身につく」は、当時現役局アナとして近年初1万部を突破。猪木の闘魂ビンタの元祖。2012年独立。テレビ、ラジオで活躍の他、各種イベントの司会や講演を行い、「雑誌ネット」で記事批評を載せ、駒沢女子大学で講師を務める。インターネット、新聞などで世相を斬る、コラムニストでもある。北九州市観光大使