佐々木正洋のいまさら聞けない一般常識 ベテランアナがやさしく解説

2019.06.03

第54回「みかんの房から壮大な宇宙が見える」

突然ですが。みかんの房の数、数えたことありますか?

僕は64年の人生の中でこれまで一度も数えたことがありませんでした。

数えてみたら12房でした。

これは、八朔(九州の実家の庭になっている)も愛媛ミカンも甘夏みかんもみんな同じでした。中には、例外的に、ちっちゃい袋が隣の房に引っ付いているものもありましたが、おおかたが12房でした。


(八朔みかん)


(甘夏みかん)

この「12」という数字、なんとはなしに生活に入り込んでいますよね。1ダースは12、12ダースは1グロス、文字盤も1から12、時計一周が12時間ですね。インターネットで調べると、12という数字は、古代天文学で1年を分けるところから始まったそうです。どうしてかというと1年間に、月は地球のまわりを12回、周るそうです。逆に考えると、月が12回、満ち欠けするのを観てそれを便宜上1年としたのでしょうか。

みかんから実に壮大な宇宙の話にまでなりましたが、そういえば、平安時代の女官の装束で「十二単(じゅうにひとえ)」というのもありましたね。

西洋では、これは宗教の世界になりますが、イエス・キリストに仕えた伝道の使命をもったキリストの高弟達も「十二使徒」でした。干支も星座も12、ですね。こうやって見てくると、それぞれの国が交わることなく、洋の東西を問わず、「12」という数の括りが、いたるところで使われていたんですね。不思議ですね。みかんの房が「12」というのも、宇宙の法則と何ら関係があるのでしょうか?

12という、偶数になっているというのは、細胞分裂するたびに、2倍に分かれていくということから、きっと偶数なのではないかな、と想像はつきますが、学術的な説明を求められると、からっきしわかりません。

それでも、このみかんの「12」房を取り上げたのは、意義ある数字に感心したからです。

たまたまテレビ番組で、里帰りした女の子、孫二人が、日本の「こたつ」ハンガリーのおじいちゃん、おばあちゃんにプレゼントという企画を放送していました。ハンガリーではこたつのような暖房器具は無く、おじいちゃん、おばあちゃんは大喜び、といった内容でした。

実際、こたつは外国人に驚かれ、喜ばれもするようです。そこでハンガリーでも、みかんはポピュラーな果物だそうで、定番の「こたつでみかん」という光景がハンガリーの家庭で見られたところで、チャンチャン、となったんですね。

それを観ていた僕は無性にみかんが食べたくなり、その時にふと、房はいくつあるんだろうと数えてみたんですね。そしたら冒頭で話したように、みかん科の果物は、といっても3種類しか見ていないのですが、「12房」だったんですね。この数、感動の数字だったんです。ひとつしかないみかんを二人で仲良く食べるのには6房ずつ食べればいいですよね。3人だと4房ずつ、4人だと3房ずつ、平等に分けて食べられる房の数ですよね。そういうと5人になったら平等に分けられないじゃないか、という人が現れると思いますが、分けられますよね。必ず同じ数の房を食べなきゃいけない訳でもなく、誰かがちょっと少なく食べれば、それで済む話、ですね。

そういう屁理屈をここで語りたいわけではなく、それほど12房、ひいては「12」という数字はよく出来ている、と思ったんですね。優しさの数字、安寧、安定、平和の数字、でもあるんですね、「12」って。おまけの話、ですがみかんは扁平の形の方が甘いそうです。さて、こたつに入って、一家団欒・・・・、あれっ、我が家にはこたつがありませんでした。

    佐々木 正洋
    佐々木 正洋
    1977年アナウンサーとしてテレビ朝日入社。16年間担当「夕刊キャッチアップ」の最高視聴率16%は今だ破られず。また、2002年出版の「ちょっとしたコツで誰でも『上手な話し方』が身につく」は、当時現役局アナとして近年初1万部を突破。猪木の闘魂ビンタの元祖。2012年独立。テレビ、ラジオで活躍の他、各種イベントの司会や講演を行い、「雑誌ネット」で記事批評を載せ、駒沢女子大学で講師を務める。インターネット、新聞などで世相を斬る、コラムニストでもある。北九州市観光大使