佐々木正洋のいまさら聞けない一般常識 ベテランアナがやさしく解説

2019.05.20

第53回「トースターパンは熟年夫婦の救世主?」

今日は久々に我が家で夫婦そろって笑顔になった話です。

突然ですが、その演出をしてくれたのが、「トースターパン」なる代物です。

なんだか「ピーターパン」のようですが、全く関係ありませんね。あんまりこの名前にこだわると、これ商品名ですから宣伝になっちゃうんで、この先は「TP」としておきますか。それも妙に印象に残っちゃいますが、困っちゃいましたね。まぁ、いいですか。とっても便利な「四角い鍋」なんです。

我が家で、今までの古くなった丸い鍋をやっと断捨離したかと思ったら、またしても玄関で「ピンポーン!」こんな調子ですから、断捨離してもしても家の中のモノの総量はいつも一定のままなんですね。

それはいいとして、ここで現れたのがこのTP。何がなんだかわからないうちに「1合のお米に220CCの水よ!」なんて指示され、言われるがままにお米を炊きました。

我が家のオーブントースターを最高温度250度にしてこの四角い鍋なるTPを15分入れっぱなし。その後10分ほど蒸して蓋を開けるとなんとお米が立っているではありませんか!

まさにオドロキ、モモノキ、サンショノキ! このフレーズをここで使わずして何とする、と言いたくなるほどふっくら甘みがあってまるで新米でした。ホントなんです。文字通りこれに「味をしめて」肉じゃが、鮭の塩焼き、カボチャ煮、ハヤシライスと立て続けに作ったんですね。

「私が先に死んだら困るでしょ」

そんな言葉に踊らされて、というか足元見られて、いつしか買い出し調理は夫の役目になってきました。

それでも美味しいものを食べているひと時、家庭は円満なものですね。

「美味しいね」

「そだねー」

こんな具合で、人間の欲望のひとつ、食欲を満たされている時ほど平和な時間はないんですね。逆に考えれば夫婦円満の秘訣は、「美味いものを食らうことにあり!」です。この年になってハタと気が付きました。

実は今回、このTPに目覚めたのは、僕のいびきのおかげなんです。

というのも、僕のいびきで寝られないカミさんが夜中に流れていたテレビの通販番組で手に入れたものなんですね。こういう怪我の功名みたいなことがあると翌日の僕への妻の「口撃」も少し和らぐというものです。なにせ、肉も野菜も本来その食材が持っている味が楽しめるんですから。絶妙な味を醸し出すんですね。

調べてみるとやや重い蓋をして蒸気を外に逃がさないからなんだそうです。

いいところばかり書き連ねてしまいましたが、トースターで15分加熱していて熱いですから、やけどしないように気を付けてくださいね。それに注意書きをよく読んでください。

かくして我が家の「もぐもぐタイム」は続き、結婚生活36年、ダイエットは永遠のテーマになってしまったのです。

気のせいか、年々僕に対する風当たりが強くなってきていたと感じていた昨今、このTPの登場で、そよ風、とまではいかなくても冬が近い秋風くらいまでは柔らいできたようです。

読者の皆さんの円満家庭にはあまり必要ないかもしれませんが、冷めた夫婦関係にポッと灯がともること請け合いです。奥さんの誕生日なんかにあらかじめ買っておいたこのTPを取り出し(あるいは奥さんにプレゼントとしていったん渡しておいて)調理してあげれば、きっと、喜ばれ、見直されますよ。

    佐々木 正洋
    佐々木 正洋
    1977年アナウンサーとしてテレビ朝日入社。16年間担当「夕刊キャッチアップ」の最高視聴率16%は今だ破られず。また、2002年出版の「ちょっとしたコツで誰でも『上手な話し方』が身につく」は、当時現役局アナとして近年初1万部を突破。猪木の闘魂ビンタの元祖。2012年独立。テレビ、ラジオで活躍の他、各種イベントの司会や講演を行い、「雑誌ネット」で記事批評を載せ、駒沢女子大学で講師を務める。インターネット、新聞などで世相を斬る、コラムニストでもある。北九州市観光大使