佐々木正洋のいまさら聞けない一般常識 ベテランアナがやさしく解説

2019.05.16

第52回「人間必要ですか⁉」

「働き方改革」などと言っている内はまだいいですよね。なにせ一体2000万円出しても10年持つ優秀なアンドロイド(人型ロボット)が出現し始めれば、年俸僅か200万円ですよね。

そんな世の中の到来は、そんなに先の話ではないことは、以前このコラムで書きました。まるでヒト社会が侵食されていくようにジワジワッとAIにその勢力地図を広げられていくんじゃないか。その先は、アンドロイドが格上、ヒトが格下ってなことになりかねないですよね。

ただ、今声高に叫ばれている少子化対策にはもってこいの話です。一体2000万円のアンドロイドに、10年間のメンテナンスが1000万円かかったとしても年俸300万円、それでミスなく業務を完ぺきにこなすとしたら、少子化なんて怖くない、って言いたくなりますよね。

でもその先は???!!!となりますね。

でもでも、ですよ、それでもロボットやアンドロイドにとって変わられない商売がありますねよ。それこそアート、芸術の世界ですね。

つい先日まで日本橋三越劇場で、横内正さんの『マクベス』が上演されましたが、その横内マクベスの素晴らしさ、圧倒的な迫力、横で出演していても横内さんの演技が気になります。『おおーっ!スゲーナー』ってなもんです。横内さんの真近で演技することがあったんですが、なんかホントのマクベスにおびえているのか、横内さんが怖いのか、横内さんの「圧」を感じるんですね。あれは、AI搭載のアンドロイドにはできませんね。

合理的な、とか完ぺきな、といった計算され尽くしたものはアンドロイドの得意とするところでしょうが、その度に、少しずつ違う非合理性を求められる役者さんは、アンドロイドに侵されることのないまさに「人間技」ということになりそうです。

俳優や歌手、画家の世界もそうですね。そう考えると芸術はロボット社会が来ても、シンギュラリティ(AIが人類の知能を超える転換点=知恵蔵より)になっても生き残る職業であることは間違いなさそうですね。あっ、もうひとつありました。あの河童のマークでおなじみの清酒 黄桜の社長で、僕の大学時代のゼミ仲間ですが、その松本真治さんがいたずらっぽい目をして「杜氏さんはロボットにはできませんねぇ」と笑ったんですね。確かに、言われてみれば、ですね。松本さんがロボットを笑った、ホッとしましたね。AIなんて怖くない!【黄桜】に、乾杯!また飲みたくなりました。

    佐々木 正洋
    佐々木 正洋
    1977年アナウンサーとしてテレビ朝日入社。16年間担当「夕刊キャッチアップ」の最高視聴率16%は今だ破られず。また、2002年出版の「ちょっとしたコツで誰でも『上手な話し方』が身につく」は、当時現役局アナとして近年初1万部を突破。猪木の闘魂ビンタの元祖。2012年独立。テレビ、ラジオで活躍の他、各種イベントの司会や講演を行い、「雑誌ネット」で記事批評を載せ、駒沢女子大学で講師を務める。インターネット、新聞などで世相を斬る、コラムニストでもある。北九州市観光大使