佐々木正洋のいまさら聞けない一般常識 ベテランアナがやさしく解説

2018.08.06

第29回 カップルの新名所

見つけました、見つけました。ホントに、本当に、新名所、です。
まだおそらくSNSにも出ていない、微笑ましい、楽しい場所です。

50過ぎていたって、60過ぎていたって、きっと行けばうれしくなりますよ。

名所になること請け合いなんだけど、なぜかあまり教えたくないというのは、僕の了見が狭いからなんでしょうか、いえ、そうは思いたくないので、詳しく場所をお伝えしますね。

クイズ番組『ネプリーグ』の出演で、東京は、台場にあるフジテレビの湾岸スタジオに行くことになったんですが、たまたまその前日、その近くを通りました。元々、湾岸スタジオってどこにあるのかよく知らなかったものですから、「ああ、ここが湾岸スタジオなんだ」と確認していたんですね。6月15日の午後のことです。

そしたら僕と一緒にいた人が、10坪強の造園がいくつも並んでいる面白いところがある、と僕を案内してくれたんですね。そこには可愛らしいパンジー、ポピーやビオラ、ヤグルマギクといったおなじみの花でしたでしょうか、それぞれの造園で誇らしげに咲き誇っていました。それはそれで鑑賞している人の目を楽しませてくれていました。ゆりかもめの駅で言うと「テレコムセンター駅」と「東京テレポート駅」に挟まれた場所、調べてみると“シンボルプロムナード公園”という名前がついた場所なんですね。

http://www.tptc.co.jp/park/01_04/garden#mainbody

もちろん、人工の公園ですが、花、緑が織りなす遊歩道をしつらえた青海、有明、台場にまたがる広々とした気持ちの良い公園です。

「なんだ、その公園が新名所なの?知ってるよ、それくらい」と気の早い人に言われそうですが、僕が言っているのは、その公園全体ではなくて、公園の一角を占めるガーデン見本市のようなところで、「おもてなし公園」と名付けられているそうです。

そしてさらにその中の、和洋折衷のガーデンが“新名所”です。科坪庭というには少し広い庭ですが、それをみんなに楽しんでもらえるように、ということなのか、向かって左側が、ミニ東屋やミニ石灯籠を配した和風庭園、右側が洋風の庭でカナディアンロッキーと名付けられているそうです。

もちろん、それだけなら新名所とまではいきませんよね。この庭園、ハート形が和にも洋にも取り入れられているんですね。

しかも、その「和」のほうの石灯篭もハート形にくり抜いてあるんですね。新名所と呼ぶにふさわしい訳が少し垣間見えてきました。なんとその石灯篭のハート形にくり抜いてあるその場所に1円玉、5円玉、10円玉、100円玉なんかがぎっしり詰められているんですね。

そうです、お賽銭が入れられているんですね。このあたり、外国人も観光で数多くの人がガーデンに目をやりながら散策しているんです。ですから日本人が、と決めつけることはできませんが、いずれにしても、ハート形にくり抜いた石灯篭にお賽銭が積まれているということは、通りすがりのカップルが「私たち、上手くいきますように」とお寺でも神社でもないこの石灯篭に手を合わせているということですよね。微笑ましいですね。

海外にも二人が固く結ばれますように、と無数の鍵がかけられている橋がありますよね。それと同じように自然発生的に生まれたカップルの新名所になるかも知れません。

それになにより嬉しいのは、そのさい銭に(小銭とは言え全部合わせれば5000円くらいはあるかもしれません)誰も手をつけていないということですよね。ホッとしますよね。

もひとつおまけで、加えると、この石灯篭や東屋、敷石のように見えるもの、すべて特殊に加工したセラミックスだそうです。ですから、水分をグングン吸収して周りの温度を下げるクーラーの役目もする、植えた植物に水やりをする必要がない、などの特徴があって、2020東京オリンピックのマラソンコースに花植えの鉢代わりに置かれることになるかもしれないというんです。

しかもこのセラミックスを敷き詰めると雑草が生えない、良いことづくめですね。

一方で造園革命と言えるかもしれません。各企業の研究成果として置かれているのですが、期ぜずして、まさに“新名所”になっちゃったんですね。やがて結ばれたカップルが手をつないでまたここにやってきた時、この庭だけはそのままにしておいてあげたい、そんな気分になりました。そのうち、ロマンティックパーク、あるいはカップルガーデンと呼ばれるようになるかもしれませんね。

    佐々木 正洋
    佐々木 正洋
    1977年アナウンサーとしてテレビ朝日入社。16年間担当「夕刊キャッチアップ」の最高視聴率16%は今だ破られず。また、2002年出版の「ちょっとしたコツで誰でも『上手な話し方』が身につく」は、当時現役局アナとして近年初1万部を突破。猪木の闘魂ビンタの元祖。2012年独立。テレビ、ラジオで活躍の他、各種イベントの司会や講演を行い、「雑誌ネット」で記事批評を載せ、駒沢女子大学で講師を務める。インターネット、新聞などで世相を斬る、コラムニストでもある。北九州市観光大使