佐々木正洋のいまさら聞けない一般常識 ベテランアナがやさしく解説

2018.07.22

第27回 クイズ番組は苦手ですが

またやってしまいました。

6月25日に放送された2時間のスペシャル版クイズ番組「ネプリーグ」でのことです。以前に1回この番組に出演した時も、知っていて当たり前の白光「ダイオード」という5文字が出てきませんでした。

そして今回は「オスプレイ」。ホント情けないですね。これって、5人で一つの言葉を成立させるコーナーなので、自分が間違えて得点できない場面などはホント責任を感じて、恥をかいて泣きたくなります。公衆の面前で、下手をしたら裸になるより恥ずかしい思いになります。我が家で番組を見ている時は、「あんなことがわからないなんて、やっぱりあのおバカタレント、本物なんだ」なんて意地悪く見ていましたが、いざ、自分が答える場面になると、あれもこれも出てこないんです。緊張感からくるプレッシャーと、突然脈絡なく質問されると、人間、面喰う、というのがよく分かります。ちょっと背中を押してもらったら出てくる言葉、ばかり。でも言い訳はできないですからね。どれも一発勝負ですから。

僕が出演した時は慶応VS東大VS京大の対抗戦だったんですね。圧倒的に東大かと思いきやそうでもないんですね。この回は京大が優勝しましたね。東大でも「クールビズ」を「クールビブ」とやってしまいました。「クールジョブ」と間違えたそうです。そう間違えるほうが難しそうですけどね。

わが慶応チームには元神奈川県知事、現参議院議員で希望の党代表の松沢成文さんも出演。かなり頼りにしていたのですが、「ハローワーク」が出てこなかったりと、かなり焦っていました。松沢さんでさえそうなんですから、こちらがとっ散らからない訳がないですね。これって、何でもないことを間違えたのは自分だけじゃないと、言い訳になっちゃっていますね。

一方で、日本史の中に出てくるそれぞれの時代の法律名、「記事方御定書」、「禁中並公家諸法度」、「墾田永年私財法」などが東大チームからスラスラ出てきた時は、さすがでした。もっとも負け惜しみで言わせてもらえれば、東大に合格する人は、最も得意とする受験勉強で必須の歴史問題ですからね。京大は京大で、日本以外、2色の国旗を持つ国を9か国挙げなさい、と言われてみんな、それほど困らずに言えていました。最初は戸惑っていた鳥越俊太郎さんも最後になって「なぜか突然この国の名前が出てきたんだよね」と「スウェーデン」と答えていました。正直、あれは僕にはできません。因みに、2色国旗を持つ国の例を挙げると、カナダ、スイス、スウェーデン、ポーランド、フィンランド、サウジアラビア、インドネシア、モナコ、中国、等々です。

番組を6月25日にご覧になった方はご存じですが、慶応チームは英単語で勝ちましたから、なんとか面目が保たれ、うまくバランスがとれました。

この「ネプリーグ」15年の歴史があるだけに、上手くできていますね。あれだけ恥ずかしい思いをしても、番組に対してのアレルギーは起こりませんね。むしろ、出演者みんなで番組を楽しんでいるような雰囲気でした。それは司会者の質に影響されるということも十分、ありますよね。ですから、ネプチューンの3人は最高だということですね。答えを間違えて落ち込んでいると必ず、突っ込んでくるというプロの優しさが、たまりません。具体的にどういうことがあったのか。僕が前述した「オスプレイ」を答えられなかったとき、泰造さんはすかさず「佐々木さんには、もう、がっかりした」と大きな声で突っ込みを入れてくるんですが、その直後、泰造さんも「オスプレイ」の最初の文字担当だったのですが、やはり間違えていたんですね。そうすると泰造さんは東大チームですから、あの林先生も、泰造さんの間違った答えを見るなり、「佐々木さんの事、言ってられないじゃないですか!」とやり込める、この一連の会話の流れで、場が和むし視聴者も楽しく見られると言った按配なんですね。

また、スタジオの一角にしつらえた出演者控えスペースでも泰造さんは出演者によく質問をして勉強熱心です。ホリケンさんは食欲旺盛で、明るく控えでも明るく振舞っています。名倉さんは3人の中で一番静かですが、なかなかの物知りです。ネプリーグ本番は、結構ビシッと答えています。この番組の特徴ですが、常にネプチューンは解答者側にいます。それでもって、出演者をフォローしているんですね。この二刀流、なかなか出来ないことですよね。

この番組、出演してわかるのですが、出演者に無用の忖度なし、まさに公明正大なクイズ番組です。ですから解答者の悲喜こもごもはウソ偽りのないところです。ちょっとだけ番組の舞台裏をお伝えしましたが、加えてネプチューンの温かみが番組を支え、まさに盤石のクイズ番組ですね。

    佐々木 正洋
    佐々木 正洋
    1977年アナウンサーとしてテレビ朝日入社。16年間担当「夕刊キャッチアップ」の最高視聴率16%は今だ破られず。また、2002年出版の「ちょっとしたコツで誰でも『上手な話し方』が身につく」は、当時現役局アナとして近年初1万部を突破。猪木の闘魂ビンタの元祖。2012年独立。テレビ、ラジオで活躍の他、各種イベントの司会や講演を行い、「雑誌ネット」で記事批評を載せ、駒沢女子大学で講師を務める。インターネット、新聞などで世相を斬る、コラムニストでもある。北九州市観光大使