佐々木正洋のいまさら聞けない一般常識 ベテランアナがやさしく解説

2018.04.02

第18回 美味しいカレーの話

森友学園の問題、原発の問題、北朝鮮の問題、アメリカが日本にかける関税の問題、伊調選手のパワハラ疑惑の問題、どれも暗く憂鬱になりますよね。

今、3月31日午前3時過ぎで、「朝まで生テレビ」を見ていましたが、あまりの不毛な議論が続いていて途中で不愉快になって観るのを止めちゃいました。

なんだか日本って平和だけど多くの国民が幸せを感じている国ではないですよね。まばゆいばかりの笑顔はコマーシャルの中だけで、殆どの大人の人達って、特に男の人達は公の場で滅多に笑顔を見せないですよね。バラエティ番組を見ていても無理やりタレントさんがバカ笑いしているし、どうして日本ってこうなんだろうって、よく思います。

こんなふうに書いている僕は元々明るい性格なんですが、こういうことを書いているうちに暗くなってきたのでこの話は、これくらいにしますね。

今日、皆さんに伝えたいなって思っていたことは食べると幸せを感じる“美味しいカレー”の話なんです。このコラムは日本中の人が見られるのに、ここから先は神奈川県川崎市多摩区の話になっちゃいます。ごめんなさい。

でも美味しい話に免じて許してくださいね。

カレーライスの話が出来ない日本人っていないですよね。それくらい日本人はカレーが好きですよね。僕もご多聞に漏れず、カレーライスが大好きで、実は多摩区の中野島という、およそミシュランの人間も来ていないであろう南武線の駅から、歩いて5分くらいのところにムチャクチャうまい、カレーのルーだけを売っているお店があるんです。皆さんの想像通りの田舎カレーです。横15.6㎝、縦20㎝ぐらいのほぼ真空パックされた透明のビニール袋に厚さ2.5㎝にわたってびっしりカレーのルーが入っていて十分4人前、700円で売られているんですね。

でも初めての人だとどこがそのお店かわかりません。というのも、以前はこじんまりしたお店を開いていたんですが、今はそのお店はいつも半分シャッターが下りているんです。

まぁ、それが逆に目印と言えば目印になりますが。

外観は白一色のお店ですが、知らない人が横を通ると、『ここにあったお店、潰れたんだな』って思ってしまいます。半分シャッターがおりたお店の中は明かりもついてなく、人もいないんです。

じゃあ、そのカレーのルーが欲しい人はどうやって手に入れるのかと言えば、そのお店づたいに横を入るとその店のオーナーでもある60歳より70歳の方が近そうなSさん宅があるんです。なかなか大きなお家です。そこのインターホンを鳴らして、作っている気のいいSおじさんに出てきてもらうんです。

元々地元の方のようで、大家さんでもある様なんですね。

では片手間に作っているのかと言えばそんなことはないんですね。カレーに入っている肉は豚で、そのカレーに入れる豚肉についてもなかなかうんちくをお持ちで聞いていて面白いんです。面白いだけでなく、どれだけ研究しているかよく分かるんですね。きっと趣味が高じて評判に任せてカレーのルーをつくっているんでしょうね。

当たり前ですが、ちゃんと保健所の検査も受けているレトルトパウチ食品なんですね。ご主人はネットショップで売ろうとも考えたそうですが、よからぬ輩があとでそのカレーのルーにいちゃもんをつけてきたらたまらないと、ネット販売は止めたそうです。

まぁ、わからぬでもないんですが、このままにしておくのも僕にしてみれば残念でなりません。

息子さんは以前、Sさんのお店で働いていたんですが、今は池袋辺りで独立してレストランをやっているそうです。

僕はこの息子さんの名前にちなんで勝手に「ナオキのカレー」と呼んでいますが、カレーのルーが入ったビニール袋にも何も書いていないのでいまだに商標を知りません。

あまり商売っ気が感じられない、へんてこりんなお店のカレーですが、味はバツグンです。どうしても食べてみたいという方がいらっしゃれば、Sさんに聞いてみます。『快活60』宛に連絡してください。

そしてとっておきのカレーの話をもうひとつ。これまでどこにも出ていない僕が発見したカレーの話ですが、こちらは取り寄せなくても近所のスーパーで事足りる話なんです。先ほどの「ナオキのカレー」は絶品カントリーカレーですが、こちらのお味はさしづめ絶品シティカレーですね。

で、それは何かというと、あー言いたいような言いたくないような、読者の皆さんにだけ特別お教えしますね。

カレーのルーを作るのが面倒であれば、この二つのルーを一緒に混ぜると、もう最高の洒落たカレーの味に大変身。そのカレーとは、

中村屋の『技あり仕込みビーフカリー』とS&Bから出している『プティフ・アラ・カンパーニュ東京 半蔵門 欧風ビーフカレー』のふたつです。僕は一つずつ食べたことは無いんですね。きっとそれぞれを単体で食べても美味しいんでしょう。

この組み合わせは、ひょんな偶然から生まれたんですが、なかなかイケます。具はある程度入っていますが、自分で牛なり、じゃがなり、いくらか足せばもう下手なお店なんかよりずっとずうっと自慢のカレーの出来上がりです。

2種類の安くて高級なカレーを味わえば、思わず笑みがこぼれて、シアワセって感じです。お試しあれ。

    佐々木 正洋
    佐々木 正洋
    1977年アナウンサーとしてテレビ朝日入社。16年間担当「夕刊キャッチアップ」の最高視聴率16%は今だ破られず。また、2002年出版の「ちょっとしたコツで誰でも『上手な話し方』が身につく」は、当時現役局アナとして近年初1万部を突破。猪木の闘魂ビンタの元祖。2012年独立。テレビ、ラジオで活躍の他、各種イベントの司会や講演を行い、「雑誌ネット」で記事批評を載せ、駒沢女子大学で講師を務める。インターネット、新聞などで世相を斬る、コラムニストでもある。北九州市観光大使