佐々木正洋のいまさら聞けない一般常識 ベテランアナがやさしく解説

2017.12.05

第6回 シニア世代にとっての流行語大賞候補

流行語大賞候補の残りをと言っているうちに気が付いたら師走、そう、12月1日には流行語大賞が発表になっちゃいました。

おそらく皆さんの予想通り“忖度”ともうひとつは日本人の特に女の子特有のシャッターチャンス“インスタ映え”、シャッターチャンスという言葉自体、もはや死語ですね。

それにしても何で、食事の前にあんなに“カワイイ”とか“キレイ”とか言って食べ物を撮るんでしょうね。
きっとそういう風に言っている自分に投げかけている言葉かもしれませんね。あれって世界中でもケッコウ日本人女子に多く見られる傾向だとか。

あ~、それからその12月1日は昭和16年アメリカが侵略をやめない日本への石油輸出を断った日でもあるんですよ。その後数日して12月8日“トラトラトラ”真珠湾攻撃に至り第二次世界大戦突入という事態になっていったんですね。どこのテレビ局もそんなこと言っていませんでした。12月1日は「カレー南蛮の日!」などとはしゃいでいましたね。閑話休題、

まぁ、他にも“謎のアウフヘーベン”については前回で一応おしまいですが、付け加えてひとこと言うとすれば、本人が(今回の場合もちろん小池百合子都知事)いかに外国語に精通していようが、日本では、やっぱり日本語が落ち着くということです。その昔、帰国した田丸美寿々さんがテレビ朝日でモーニングショーのキャスターに抜擢され、番組宣伝で「Something new! Something different!」とやったことがある。流ちょうな英語でした。
でも視聴率は好調ではなかった。
田丸さんがどうのこうの、ではなく、日本人は英語、ドイツ語、フランス語になんだか劣等感を持っているようですね。英語を滅多に使わない小泉進次郎代議士が受ける理由のひとつはそこらへんにもある気がします。丁寧な日本語が一番なんでしょうね。

さて前回に引き続き流行語大賞その候補のすべて、アウフヘーベンを除いた29の言葉を列挙してみます。

①インスタ映え ②うつヌケ ③うんこ漢字ドリル ④炎上〇〇 ⑤AIスピーカー ⑥9・98(10秒の壁)
⑦共謀罪 ⑧GINZA SIX ⑨空前絶後の
⑩けものフレンズ ⑪35億 ⑫Jアラート
⑬人生100年時代 
⑭睡眠負債 ⑮線状降水帯
⑯忖度(そんたく) ⑰ちーがーうーだーろー!
⑱刀剣乱舞 ⑲働き方改革 
⑳ハンドスピナー
㉑ひふみん ㉒フェイクニュース
㉓藤井フィーバー ㉔プレミアムフライデー

㉕ポスト真実 ㉖魔の二回生 ㉗○○ファースト
㉘ユーチューバー ㉙ワンオペ育児

となりますね。赤の太字は因みに流行語大賞ベスト10でした。
あ~、知ってる知ってる!というものから、こんなの流行ったっけ!? というものまで様々でしょう。

全部わかる、知っているという人はきっと若い人からも人気の人です。

何故そう言えるかって言うと、実は僕の義父は93になるんですね。その義父が我が家で一週間過ごした時のことです。こんなこと義父は知らないだろうとばかりに『お義父さん、これからはAIですね』とちょっとだけ意地悪に問いかけたんですね。そしたらすかさず『あー、あーてぃふぃしゃる いんてりじぇんす(artificial intelligence)だね』と返ってきたんですね。

もう僕はビックリ、というかその時点でそういう英語の略だって僕は知らなかったんですね。種明かしをすれば昔義父は中学校で英語の先生をやったことがあるんです。それにしても僕は恥ずかしくて恥ずかしくて、まさに穴があったら入りたいと心境でした。

でもそれ以来、よく新聞を読み絵画や骨とう品が好きな義父を一種尊敬するようになりましたし、義父が何かを自慢話のように話し始めてもちっとも苦ではなく興味を持って聞けるようになりました。一緒にお風呂にも入って義父の体を洗ってあげたりしています。しみじみ思いましたね。知性や教養というのは年を取ったら尚更必要なことで若い人に嫌われず、孤独感を感じずに済むことに通じるんだなと。

今では実の娘である妻より僕の方が義父と仲良くやっています。内輪の自慢話で恐縮ですが、ホントです。だからという訳ではないですが、ここに挙げた流行語大賞の候補、ちょっと知っているというものだけでも詳しくなっておきましょう。

家族で食事に行って「こりゃ、なかなか“インスタ映え”するね」なんて言った日にゃ実の娘や息子だけでなく義理の娘や息子に「お義父さん、スゴ~イ!」てなことになったりして。少なくとも嫌われることがなくなりますよ。

    佐々木 正洋
    佐々木 正洋
    1977年アナウンサーとしてテレビ朝日入社。16年間担当「夕刊キャッチアップ」の最高視聴率16%は今だ破られず。また、2002年出版の「ちょっとしたコツで誰でも『上手な話し方』が身につく」は、当時現役局アナとして近年初1万部を突破。猪木の闘魂ビンタの元祖。2012年独立。テレビ、ラジオで活躍の他、各種イベントの司会や講演を行い、「雑誌ネット」で記事批評を載せ、駒沢女子大学で講師を務める。インターネット、新聞などで世相を斬る、コラムニストでもある。北九州市観光大使