佐々木正洋のいまさら聞けない一般常識 ベテランアナがやさしく解説

2017.11.10

第3回 ふるさと納税(上)

前回、お伝えしたマイナンバーカードは交付申請されましたか。

交付申請した方は、あとは交付通知書を待つばかり。これにはひと月近くかかりますから、お楽しみに、といったところ。交付申請までのカード手作り感は、下手なクレジットカードが届くよりずっと嬉しいはず。

そのマイナンバーカードの交付通知書を待っている間に今回は、おなじみ「ふるさと納税」を楽しんでみてはいかがでしょうか。

お堅く言うと「自治体への寄付金」なんですが、実態は税金有効活用なんですね。“聞いちゃいるけどメンドクサそう”と思っている御仁、税金が安く済むうえに、新鮮なコメ、野菜、シャトーブリアン並みの肉もついてくる。変わったところでは卓上しちりん釣り竿なんてものまであるから気に入った返礼品を探すだけでも結構楽しいんですよ。

このふるさと納税が生まれたのが平成20年(2008年)の4月、翌年民主政権が誕生したことを考えれば、自民党が何とか国民のご機嫌をとり、政権延命に必死になっていた頃とも言えますね。まぁ、考えたのは当時の総務省の官僚の人達ですけどねえ。

それにしてもこの制度、よく出来ている。地方活性化は図れるは、地方交付金が少ないだの、不公平だのと地方から中央への文句を少しでもかわすのに実に役にたっているんですね。国民は節税になるわ、株主優待の様な“おみや”は地方自治体から送られてくるわでいいことづくし。地方は結構な額(本来のその自治体の予算を上回るところもあるんです)の収入になるんですね。

「ふるさと納税」システムが始まった当初、ふるさと納税受け入れ件数は全国で約5万4千件、受け入れ額は全国で約81億4千万円(平成20年度)でした。それが今や件数が約1271万1千件で額はナント2844億1千万円(平成28年度)にのぼっているんですね。ふるさと納税受け入れ額トップの宮崎県都城市は堂々の約42億4千万円(平成27年度)と荒稼ぎ。やはり和牛日本一に輝いた実績が光っているんですね。他にも焼酎で「黒霧島」があったりで、他の自治体も羨むばかり。この都城市の人口が約16万3千人。ということは一人あたりざっと2万6千円のふるさと納税の恩恵を受けていることになりますね。

逆に都会は税収(住民税)が減って悲鳴をあげています。金額で一番減っているのはやっぱり東京都2016年度は前年度から78%の住民税の減収で846億円、オリンピックの予算を出し渋るのも頷けますね。二番目に大きい減収は神奈川県で前年度から82%の187億円となっているんです。また市区町村別では世田谷区の81%の31億円減収となっています。山形県の天童市のふるさと納税受け入れ額が約32億3千万円ですから世田谷区のふるさと納税による寄付金がそっくり山形県天童市にいってしまったという計算になりますね。

これでは政府が突き上げられると、今年の2月、高市総務相はふるさと納税の返礼品競争が過熱気味で“あまりに豪華なものは改善すべき”とお達しを出し、還元率3割程度に抑えて欲しいとしたんですね。これによって家電製品、高級家具などが姿を消してしまいました。消費者にしてみればただただ残念なんですがね。

まぁ、それでもあれが食べたい、これが欲しいといった旬の味覚や用品がどっさり。いざ、ふるさと納税に挑戦しましょう、とこのコラム欄がいっぱいになっちゃったので、次回手続きについて詳しく書きますからね。

それまでに目指す返礼品を決めていてくださいね。

次回も乞うご期待!

    佐々木 正洋
    佐々木 正洋
    1977年アナウンサーとしてテレビ朝日入社。16年間担当「夕刊キャッチアップ」の最高視聴率16%は今だ破られず。また、2002年出版の「ちょっとしたコツで誰でも『上手な話し方』が身につく」は、当時現役局アナとして近年初1万部を突破。猪木の闘魂ビンタの元祖。2012年独立。テレビ、ラジオで活躍の他、各種イベントの司会や講演を行い、「雑誌ネット」で記事批評を載せ、駒沢女子大学で講師を務める。インターネット、新聞などで世相を斬る、コラムニストでもある。北九州市観光大使