生涯現役!健康講座 いくつになってもオトコを保ちたい貴殿へ

第1回 若さの秘訣は狩りの本能

男も六十路前後になりますと、「医食同源」という言葉をよく耳にします。

多くの辞書を総合すると、「医食同源」とは体に良いモノをバランスよく食べることこそが「医者いらず」につながる最善の健康法と記されています。

私はその言葉をずっと信じてきました。幼少の頃、親が呪文のように唱えるその言葉に、何の疑いも持たず粗食にいそしみ、嫌いなモノでも我慢して食べてきました。
が、最近、その呪縛を根底から覆す目からウロコの話を入手しましたので、お伝えしたいと思います。

それはある高名な中医学の先生と飲茶(ヤムチャ)に興じている時のことでした。
近頃、勃起力にいささかの不安を感じていた私は、やおらこんな質問をぶつけてみたのです。

「やはり四千年もの歴史があるわけですから当然、中国にはチンポを勃たせる薬膳食もあるのでしょう?」
老師はゆっくりと茶の香りを楽しみながら静かにこうのたまいました。
「ヤリたい女と一緒に食べるモノならソレがなんでも、珍宝を勃たせる最善の薬膳食アルネ」

オットセイのペニスだのイモリの黒焼きだのを期待していた私にとっては、予想だにしなかったお答え。

「し、しかし、なんでも良いと言っても、さすがにカップラーメンというわけにはいかないでしょう」
食いさがる私。
「即席拉麺でも勃つアル」

私の眼の前にいる老師は間違いなく権威ある中医学の専門家のはず。伝統的な中華服に身を包み、気高いオーラを発するその様子は、どう見ても日◯食品の回し者には見えません。

私はなおも食い下がります。
「先生、私はどうしてもアッチのほうを若返らせたいんですよ。世の中には医食同源という言葉もあるじゃないですか。女子とチョメチョメしている最中に惨事が起こる前になんとかしていただけませんかね」
私の鬼気迫る様子にただ事ではない殺気じみたものを感じたのでしょうか。老師は香りを楽しんでいた茶器をゆっくりとテーブルに置き、微笑みながらこう諭してくれたのです。

「確かに、この世界には体に良いとされる食材はたくさんアリマス。しかし、嫌いなものを無理やり食べても健康によくナイヨ。ストレスにナルネ。
医食同源で大事なのは二つネ。楽しく食べること、そして食べたいものを追い求めるコトネ」

師曰く、どんなものでも楽しく食べることができるのであれば、それが何よりの医食同源だというのです。

でもそれって、犬のエサでも気の合う仲間と楽しく食せば医食同源ってこと?
「好!(ハオ!)※訳:そのとおり」
満足そうに頷く老師。中国四千年の食の哲学、奥が深いです。
では、もうひとつの「食べたいものを追い求めるコト」ってなんでしょう?

師は、ゆっくりと茶をすすりながら、窓の外を指差します。
「あれネ」
指差す先を見ると、雨だというのにラーメン店に長い行列ができています。
「はは~ん。やはり中国の代表食ラーメンが勃起力回復のキーワードですかぁ」
老師はまっすぐ私を見て一言。
「不(プー)※訳:ブッ、ブー、不正解」

今この瞬間、世界で一番アホな答えを自信満々で導き出した哀れな弟子に老師は丁寧に教え諭します。

「大切なのは、何かを食べたいと思う気持ちネ。何かを苦労して手に入れる。狩りの本能を忘れたら、男、ダメになるネ」

いかがでしょう、みなさん。最近、何かを食べたいと行動を起こしたことはあるでしょうか? 何を食べたいか聞かれた時、何でもいいと答えてないでしょうか。欲しいもの追い求める時、とりわけ自らの腹を満たすために「食」を求めるという原始的な行為に肉体の若さと健康を保つ、本当の意味の医食同源があるわけです。

そういう意味では、ラーメン店に行列を作って並んでいる人々は、若さと性欲の権化といっても過言ではないでしょう。

貪欲に「食」を求めましょう。そして、気の合う人々と楽しく食べましょう。
老人たちがラーメン店に列をなして並ぶようになった時、日本人の平均寿命は100歳を超えるかもしれません。